[日本産コウモリ一覧に戻る][目次に戻る]

アブラコウモリ(イエコウモリ)

ヒナコウモリ科 Vespertilionidae
学名:Pipistrellus abramus(Temminck,1840)

写真−アブラコウモリ顔 分布:シベリア東部からベトナム、台湾、日本。日本国内では、本州、四国、九州、対馬、奄美大島から知られる。
形態:頭胴長41〜60mm、前腕長30〜37mm、尾長29〜45mm、体重5〜10g。黒褐色から暗灰褐色の体毛を持つ。


 比較的、人目につかないコウモリ類の中で、唯一、家屋だけをすみかとしている(逆に山間部や家屋のない森林内には生息しない)。その習性のためにイエコウモリとも呼ばれる。都市部の住宅密集地でも数多く生息し、夕方に注意さえすれば、誰でも簡単にその姿を見ることができる。まだ見たことがない人は、日没から30分くらいの間に、少し大きな河川沿いや水田の上空を見上げながら散歩するといい。たくさんのアブラコウモリに出会えるだろう。

写真−翼手を広げたアブラコウモリ  小型コウモリの多くは昆虫を食べて暮らしている。しかも大食漢である。日本の気候では冬季に活動する昆虫が減少する。冬季にはコウモリはえさが十分に取れないため、多くのコウモリが冬眠する習性を持つ。
 アブラコウモリの場合、冬眠に入るのは11月の中頃から。冬眠から覚めて活動を開始するのが、3月中下旬である。冬眠期間中でも暖かい日には飛翔する姿を見かけることもある。
 アブラコウモリの出産期は7月初旬、一度に1から3仔を出産する。8月初旬には巣立ち期となり、10月に入ると交尾を行う。しかし、精子はメスの生殖器官に貯えられたまま冬を越し、冬眠あけの4月下旬になってから排卵が起こり受精・妊娠する。



アブラコウモリの飛翔。
 水田の上を旋回しながら昆虫を捉えているのを見かける。ため池や河川の付近ではたくさん飛んでいることがある。街中の夕暮れ空にこんなシルエットを見かけたら、アブラコウモリの可能性が高い。



このほかのアブラコウモリ関連情報ページ


[日本産コウモリ一覧に戻る][目次に戻る]