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大塔村篠原の地に、約300年間に渡って子々孫々に伝承されてきた踊りがある。「篠原踊」である。 さかのぼること元禄・宝永の頃(1700年前後)、この辺りに獰猛な狼が棲んでいて何かと人々が苦しめられていた。 しかし、これを退治することができず大いに困ったあげく、氏神である天満神社にお願をかけて、踊を奉納するから狼の難をなくしていただきたいと祈った。 それから間もなく、狼は猟師に撃たれて死んだ。 村人たちは安堵の胸をなでおろし、そのお願果しに毎年踊を奉納することにしたのであるという。
篠原踊は毎年旧(今は新)1月25日の天満神社祭りの日に午後2時頃より踊三番(梅の古木踊、世の中踊、宝踊)を神前に奉納しています。 踊り子の男は梅鉢紋の黒の衣装に小太鼓をもち、女は適当な衣裳で扇をもって演じます。 近畿地方には色々の名で風流系太鼓踊や小歌踊の類が数多くありますが、現在演芸可能な踊唄が二十数曲もあり、歌詞現存で三十数曲、 古くは四十曲近く存在していたという例は、大塔村に伝わる「篠原踊」以外にはないと言われています。 このような山深い山村に、優美かつ都風で芸能として完成度が高い踊りや歌が現在まで伝えられているのは、 氏神様への約束を果し続けてきた敬虔な村人たちの努力の賜物であり、まさに驚異であると言えます。
昭和30年12月「奈良県無形文化財」に指定され、さらには昭和46年4月文化庁より「記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財」 として選択されるに至りました。 本学は、縁あってこの実習林の地を恵与いただいて以来、永年大塔村と関わりを持ち続けており、我々としても立派な由緒と伝統とを誇る 「篠原踊」が末永く踊り継がれることを見守っていきたいものです。
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