
奈良教育大学教職大学院:独自の特色
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奈良教育大学教職大学院は、2008年の教職大学院制度創設と同時に我が国で初めて誕生した教職大学院の一つであり、2018年3月で設立10年目を迎えました。現在ではほとんどどの都道府県にも教職大学院が設置されていますが、本学教職大学院には10年の経験に基づくいくつかの特徴があります。
例えば、1つ目は、本学の地域密着型大学としてのミッションをふまえて、教職大学院は、奈良県教育委員会や県内の地域教育委員会そして多くの学校との密接な連携を取り、実習(僻地実習含む)や課題研究などを行える体制を組んでいる点です。
2つ目は、各科目はどのような力を付ける科目であるか俯瞰できる枠組み(カリキュラム・フレームワーク)を示し、各科目を通じて教員と院生が共にゴールをイメージを明確にして主体的に取り組めるように工夫している点です。
3つ目は、学びの振り返りを効果的に促すために、振り替りの指標となるアセスメントガイドや記録を残していく電子ポートフォリを用意している点です。
4つ目は、全ての院生が、学校の職員室のように、自身の机やロッカーのある部屋で、生活を共にする中で、共同的・協同的・協働的な活動や学びを促す環境を整えている点です。
奈良教育大学の教職大学院は、小規模の大学院です。しかし小規模だからこそ、アットホームな雰囲気の中で、教員集団と院生集団が距離の近い関係の中で研究を進めていく環境をこの10年築いてきました。
このような環境の中で、教育の理論と実践の往還を通じて、一緒に歴史と文化を築いていこうとする意思ある皆様が、これからも本学に集っていただけることを祈っております。
奈良教育大学教職開発講座
教職大学院 院長 小柳和喜雄