Q&A
「履修登録単位数の制限」・「履修年次の制限」と、その措置について
Q:「履修登録単位数の制限」は、どうして設定されたのですか?
A:平成10年10月の大学審議会答申を受け、「単位制度の実質化」を図ることを目的として設定しました。平成11年度入学者より適用されています。なお、平成11月9月に改正された大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)において、大学の努力義務が明文化されています。
※大学審議会とは、大学を始めとする高等教育機関の在り方や、その改革方策を検討するための文部大臣の諮問機関です。
(H10.10.26答申:「21世紀の大学像と今後の改革方策について―競争的環境の中で個性が輝く大学―」)
Q:「履修登録単位数の制限」には、どういう効果が期待されているのでしょうか?
A:○少数の授業科目をより深く、実質的に学習できること。 ○教室における授業と学生の教室外学習を合わせた充実した授業展開が可能になること。 ○単に大学だけにとらわれず周辺地域等のフィールドを自らの学習に活かすことで、将来社会人となる上において必要となる様々な体験、知識等を得る時間が保証されること等々です。
Q:「単位制度の実質化」って何ですか?
A:社会的にも国際的にも認知される単位認定を目指し、「単位制度の趣旨」を具体化することです。
Q:「単位制度の趣旨」って何ですか?
A:大学卒業要件を単位数で示す基本となるものです。本来、1単位とは標準45時間の学修を要する教育内容に相当するもので、@教員が教室等で授業を行う時間、及びA学生が事前・事後に教室外において準備学修・復習を行う時間が含まれています。例えば「講義」の場合、1コマ(2時間/週)×15週の計30時間の授業と、自主的学習60時間の計90時間をもって2単位ということです。
【参考】本学学則34条
・講義及び演習については、15時間から30時間の授業をもって1単位とする。
・実験、実習及び実技については、30時間から45時間の授業をもって1単位とする。
Q:「授業」以外での学習の充実が求められているということですね?
A:そのとおりです。現状では、授業に出席しない、授業中に質問しない、議論ができないといった弊害が指摘されており、それらを克服するためにも、自主的学習への取り組みがおおいに求められています。
Q:「成績評価」は、どのように行われるのですか?
A:授業の目的等に沿って、適切に定められた基準をもとに行われます。期末試験のみではなく、授業への出席状況、宿題への対応状況、レポート等の提出状況等、日常の取り組みと成果を考慮して、多元的に評価されること。また、それぞれの成績に占める割合は、評価方法とともに、授業計画(シラバス)等で周知されるべきものと考えています。
Q:成績評価の「現状」とは、必ずしも一致していないのではありませんか?
A:そうかもしれません。学生の能力・適正に応じ、主体的学習意欲及び、その学習成果を積極的に評価し得る弾力的な評価システムへの転換が必要とされています。
Q:そのような評価システムへの転換がなされたら、それで十分なのでしょうか?
A:そうではありません。「厳格な成績評価」が必要です。
Q:「厳格な成績評価」って何ですか?
A:成績評価を厳しくすることでは、決してありません。教員が、本学の教育目標を一致して認識し、教育の質を向上させ、正しい評価を行って「教育の責任」を明確にしていくこと、と考えています。
Q:「教育の責任」とは、教員にとっても大変な事態ですね?
A:そのとおりです。授業の設計と教育責任、授業方法の改善等、「責任ある授業運営」が問われることになります。
Q:「責任ある授業運営」の実現は、どのようにして保証されるのですか?
A:本学の理念・目標や教育内容・方法についての組織的な研究・研修(ファカルティ・ディベロップメント)の実施が、重要な意味を持つと考えています。平成12年度からは、学生による「授業評価」の全学的な実施を行い、授業運営にフィードバックしています。
Q:なぜ、「履修年次の制限」が設けられているのですか?
A:履修年次を制限し、履修順序にしたがった学習を求めることで、教育効果を高めるためです。平成11年度の学部改組により、学校教育教員養成課程では二校種の教育職員免許状、総合教育課程では各種資格、これらに必要な授業科目が卒業要件としてカリキュラムに多数組みこまれています。これらのスムーズな履修を保証するのも一つの理由です。
Q:「履修年次制限の特例措置」って、どのようなものですか?
A:1・2・3年次に、それぞれ2・3・4年次開講の授業科目を、当該授業科目担当教員の許可を得て履修できるというもので、具体的には、二通りあります。「入学前の既修得単位等が認定された者」と「前年度GPA3.0以上の者」に対するものです。
Q:「入学前の既修得単位等が認定された者」に対する特例措置は、なぜ設けられたのですか?
A:本学入学前に他大学で履修した授業科目を、本学における履修とみなして単位認定された者は、当該科目を除いて履修することになると思われます。履修年次の制限をそのまま適用すると、履修登録の選択肢が少なくなるなど、学習意欲を制限しかねないからです。
Q:「履修年次制限の特例措置」を受けるには、どうすればよいですか?
A:教務課に用意された様式で、履修登録日までに学長へ願い出ることになります。
Q:「GPA」って何ですか?
A:グレード・ポイント・アベレージを意味し、1単位あたりで見た平均の成績のことです。
「秀・優・良・可・不可」の成績評価に「4・3・2・1・0」のグレード・ポイントを与え、各授業科目の単位数を考慮して算出します。
Q:どうして「不可」の授業科目まで考慮するのですか?
A:安易な履修登録・履修放棄を避けるため、「不可」もGPA算出にあたって考慮することにしました。無責任な履修登録は、教室配当・教材準備・授業展開等々を通して、真剣に学習しようとしている者に不利益をもたらすからです。
Q:「GPA3.0以上かどうか」を、どのようにして知ることができますか?
A:教務課掲示板に、該当者の学生番号を掲示します。
【今後の大学の取り組みとして】
本学は、今後様々な形で、学生の学習に対する責任と主体的な学習意欲を喚起するとともに、教員においても「責任ある授業運営」と「厳格な成績評価」を行うよう努力していこうとしています。これら不断の努力を続けることは、大学が社会に責任を持って学生を送り出す一つの条件として、大きな意義があります。
この内容に関するご質問・ご照会
奈良教育大学教務課教務担当 TEL:0742−27−9124