学生の卒論発表と、新規性の喪失適用について(平成16年1月7日)
教官各位
文部科学省から下記のとおりお知らせがありました。
学生の卒業論文発表等の時期になりました。このことについて、特許法の30条における新規性喪失の例外にかかる問題が懸念されています。
大まかに説明しますと、学術研究を主目的とした研究集会(厳密な定義については、特許法をご参照下さい)における論文発表では、特許出願の必要要件である「新規性」を喪失しないものとされております。これを「新規性喪失の例外」と呼びます。
もし学生が特許出願前の研究に関わり、その研究に基づいて卒論発表をした場合、発表した集会の性質によっては、上記の「新規性喪失の例外」が認められず、結果特許出願ができなくなる恐れがあります。
ついては特許法の30条における新規性喪失の例外にかかる大学の卒論発表の取り扱いについて、以下のことを学内によくご周知願います。
Q:学部や学科で自主的に行われる博士論文・修士論文・学士論文の発表会は「特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会」と認められるか?
A: 認められない。
「特許庁長官が指定する学術団体」は「大学」であり、「学部や学科」ではない。
したがって発表会が学部や学科で自主的に行われており、大学が開催(共催を含む)していないのであれば、第30条第1項の適用は受けられない。
学生の発表する研究成果に重要な発明が含まれる場合は、研究発表前に特許出願を行うか、若しくは、大学主催という形で、卒業論文の発表会を開催する必要があります。
詳細については、特許庁ホームページ http://www.jpo.go.jp/toiawase/faq/reigai-7.htm
を参照してください。