眞田 理世さん 公開日  :  2022-03-28

Nara ISC/ 国際戦略センター(@奈良教育大学)

滞在記

a)新しい環境や日常生活、適応、カルチャ―ショックに関する感想や、外国人として扱われることでの、日々のストレスの対処法などに関しての感想

こういった留学の体験談においては、後に続く人の参考となる為にも自らが感じた問題点とその解決方法を記述するものだと理解している。が、私の場合は周囲の人々と運に恵まれた為、特に問題やストレスを感じることなく半期を終えることができた。

もちろんはじめは、フランスに知り合いが一人もおらず、またフランス語も英語も全く話すことができなかった為、“(まだ日本にいて、荷造りもしていないのに!)もうホームシックになっている”、と感じるほど不安であった。しかし、留学を決めた時の目標や目的を思い返したときに、より一層留学することに対して強い意志を持つことができるようになった。

それと同時に、二つ心に決めたことがある。

一つは「旅の恥はかき捨て。失敗を恐れず思ったことはすべてやってみよう。」ということ、もう一つは、「私は“宇宙人”が住んでいるところに行くのだ。どんな常識も言葉も通用しない。一切の期待を捨てて、郷に入れば郷に従えの精神でやっていこう。」。

これらから分かるように、はじめに持っていたハードルがゼロ…むしろマイナスだった為か、いざ生活が始まると思っていたよりもずっとスムーズに事が進んだ。道を歩いていたりするとじろじろ見られたりすることもあるが、何の問題もストレスも感じない。むしろ私もどんな人が私に興味を持つのかと気になり、向こう以上に見返している。もしかすると、留学前に自分の目標を再確認し二つの心構えをもったからこそ、今現在ストレスを感じることなく、周囲の人々と運に恵まれたと感謝する余裕があるのかもしれない。

言葉の壁に関して、留学生の体験記にはよく「周りが外国語だらけで辛い」、「思っていることが伝わらなくて悔しい」ということが書かれている。その言葉を受けて、初めの一週間ほどは、コミュニケーションをとることに対してとても恐怖を感じたことを覚えているが、今となってはそれは当たり前のことで、ストレスを感じるに値しなくなった。 “宇宙人と会話をしてみよう”という心持ちは最強である。

まだ円滑なコミュニケーションを取ることは難しいが、相手もコミュニケーションを取ろうと歩み寄ってくれることが多いため、いつの場合も想像しているよりもずっと細部まで伝わっている。もちろん、相手の好意に胡坐をかいているわけにもいかないのでいつも必死に言葉を覚えているが、それは今では楽しい作業となっている。

 

b)マイポートフォリオのプロジェクトの進捗について

マイポートフォリオの進捗状況について、先ず私が達成したい目標について大まかに三つ挙げることとする。

1)語学力の向上、2)異文化理解、3)学校教育について知る 以上の三つである。

1)語学力の向上、2)異文化理解に関してはまだ十分に達成したとは言い切れない。しかし、二か月前の自分と比べると進歩しているのではないかと思う。フランス人は議論好きな人が多いため、みんな必ずと言っていいほど自分の意見を持っている。いつも新しい考えを知ることができるのでとても興味深い。より多様な考え方を知り理解するためにも語学力に向上は欠かせないので、これからも努めたいと思う。

3)学校教育について知る、これについては、縁あってフランスの私立小学校で何日か臨時の教師をすることになった。まだ先の話なので進捗などについては記せないが、また後日報告できればと思う。また、知り合いのフランス人に、高校の教師をしている人がおり、日本の教育との違いについて話をすることができるのがとても興味深い。まだまだ知らないことが多いので、これからさらに知見を広げていきたいと考えている。

 

帰国報告

留学をしようと思ったきっかけは何ですか。また派遣国(協定大学)を選んだ理由は何ですか。

私は大学に入学する前から、人生のうちのどこかで留学をしたいという思いを持っていました。留学を通して世界の教育現場を見てみたい、文化が違う環境で異文化を知りたいと思っていたからです。しかし、私は音楽科のピアノ研究室に所属していて日々の練習が欠かせないということもあり大学在学中は演奏技法を身に着けることに力を注いでいました。大学院の課程まで終わり、教員になる前のこの時期が一番いいタイミングだと考えたので、留学に踏み切りました。また研究室に所属している際に多くのフランス音楽に触れ、フランス音楽にとても興味があったためフランス・リヨン第三大学という協定校を選びました。

留学までのプロセスを教えてください。(準備を始めた時期や準備した事など)

準備は2、3か月前ほど前から開始したと思います。
ビザの準備など基本的なことについては、留学担当の方に教えていただいたとおりに準備を進めていきました。
持っていく荷物など具体的なものについては、1か月ほど前から準備を開始したと思います。

滞在方法を教えてください。

大学の近くにある、比較的新しい老人ホームと併設のレジデンスの一室に住んでいました。

現地での授業時間割を教えてください。

授業の取り方にもよりますが、週4日ほど大学に通っていました。
授業は週5コマあり、1日に1、2コマ(1時間半~2時間/1コマ)を受けていました。

ある一日のタイムテーブルを教えてください。

時間 内容
8:00 起床
9:00 朝食、身支度
10:30 授業開始
12:00 授業終了、一旦帰宅
15:30 授業開始
17:00 授業終了そのまま友達とカフェやピクニックへ
21:00 帰宅、授業の復習や宿題をする
23:00 就寝

留学を終えて自分自身で変化したことを教えてください。

 一番大きく変わったと思うのは、フランスで異文化を知り体験してきたことによって、自分の中で日本という国を俯瞰的にみる視点が新たにできたということです。(大前提として、もちろん現地の人と共に生活をすることを通してフランス人の価値観、感覚を得ることを目的として留学しましたし、実際に得ることがたくさんありました!)留学する前はフランスでどのような新しいことが学べるかということにばかりに目が行っていましたが、様々な国の人と話をするうちに、世界の視点から日本を見たときに、日本という国に対して何を思っているのか、どのような考えを持っているのかということについて知ることができました。異文化理解には欠かせない当然の話だとは思いますが、今までそのような視点を持ち合わせていなかった私にとって、そのことは大きな変化となりました。
また、精神的な面においても変化があったように感じられます。
日本にいた時は周りの目線が気になって仕方がなく、“自分が何をしたいか”よりも、“どう見られるだろうか”によって行動してしまうことが多々ありました。
加えて常に誰かに頼れる状況にあったので、周りに流されながら生きる様な 相当頼りない人間であったと思います。
しかし、(フランス語も英語もよく話せないまま留学したせいでもあるのですが…;;)向こうでは慣れない環境の中、すべての事を自分の責任でどうにかしなければならなかったので、そんなことを気にする余裕もない程必死でコミュニケーションを取ったり、何を目的としてフランスに留学しているのか、その目的を常に考えて日々を過ごしました。そのため、自彊の精神や度胸を身に着けることができたと思います。

帰国後の展望を教えてください。

 留学で培ってきたことを教育の現場で生かすべく、先ずは教員の道に進もうと思います。自分が学んだことや感じたことを発信しつつ、異文化理解によって得られた視点を用い、児童・生徒に寄り添うことができる教員になりたいです。

帰国報告(自由レポート)

◎自由レポート タイトル:将来へと繋げる留学

私は令和4年1月から8月にかけて、交換留学生としてフランス・リヨン第3大学に通っていました。
日本では英語もフランス語も話す機会がなく、どちらも全く話せないまま勢いで留学したのですが、何とかなるものです。まだまだ語学力は高くないですが自分の中にあるものをフルに使って、どのような状況でも臆せず話す姿勢を身に着けることができました。フランス語はもちろんのこと、英語とボディランゲージまでも上達したように思います…!
話を戻して、私は日本では奈良教育大学大学院の音楽科のコースに所属していました。留学をしたのは院のすべての課程が終わった後だったので、大学の4年と院の2年、自分の好きなことを突き詰めてから留学したということになります。
今まで自分の好きな教科を生かして教員になりたいという夢を追って生きてきましたが、教員になる前に一度世界の教育現場を見てみたい、文化が違う環境で生活をすることを通して異文化を知りたいと思い留学を決意しました。
留学中は、日本ではほとんど学んでいなかったフランス語などの語学系の授業を取りたいと考え、履修した授業はほとんど語学の授業でした。授業は現地の学生と共に受けることができるのですが、世界中からの学生が集まっており、授業を通してフランス人以外の友人もできました。
またリヨン第3大学には音楽系の授業や教育系の授業はなかったため、自分でどうにかして学ぶ機会を作らねばと思っていたところ、偶然にもフランスで教師として活動する機会に恵まれたり、コンセルヴァトワール(フランスの芸術学校)の教師として働く友達ができて授業を聴講するという経験をすることができました。大学内の授業ももちろんとても有意義なものとなりましたが、大学外での出来事も同じくらい私に大きな影響を与えました。
これから私の留学経験がどのように生かされていくのか、まだ私にはわかりません。しかし留学で培ってきたことを教育の現場で生かすべく、先ずは教員の道に進もうと思います。自分が学んだことや感じたことを発信しつつ、異文化理解によって得られた視点を用い、児童・生徒に寄り添うことができる教員になりたいです。

留学にかかった費用

留学先:リヨン第三大学
留学期間:2022年1月~2022年8月
費用総額:約120万円

 

留学期間中にかかった費用総額

月平均の項目別支出額

支出項目

金額(1€ =135~140 円換算

内訳
授業料等 約 9万円 *3ヶ月分
宿舎費 約 9万円 光熱費含む
食費 約 2万円  
交通費 約 3000円  
学用品/図書 不明 都度購入のため
衣服費 約 1万円  
通信費 約 3000円  
教養費 不明  
雑費 不明  
医療費 5000円 *留学期間中(市販の薬を薬局などで購入)
旅行等 3万円  

特記事項

宿舎費については、中途の留学開始で申し込んだ期間が遅かったため高額なアパートしか残っていませんでした。ほかの大学から来ている留学生のアパートは比較的手ごろなところが多かったです。

帰国報告会 資料

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カテゴリ   :   海外の協定大学 , 留学体験記 , リヨン第三大学
最終更新 : 2023-07-18 10:06