フランスに来てもう4ヶ月ほどが過ぎました。8月末にフランスについた当初、フランス語や英語などの言語が専攻でない私は本当に生活していけるのかすごく不安でした。実際、8月と9月は大学の授業の手続きとフランス滞在のための銀行や保険等の手続きに追われて疲弊していました。フランス語の母音の数は日本語より多く、日本語では同じ「エ」に聞こえていてもフランス語では発音の仕方がいくつかあるため、外国人になれていない人には私の言ってることをほとんど理解してもらえないことなどがありました。しかし、今は周りの友達の助けもあって少しずつですが言いたいことが伝えられるようになってきました。
文化の違いに関しては挙げていくときりがありません。大学の授業では、ほとんどの生徒がPCでノートを取ります。そのため授業中は先生の声とタイピングの音しか聞こえません。授業時間は授業によりけりで1時間半のものもあれば3時間のものもあります。
また、昼には大学の事務が2時間ほど昼休みを取ります。これは大学だけでなく他の店なども同様で、大きなショッピングモールやレストランなどでない場合は大体2時間くらい昼休みがとられています。その2時間の昼休みは、長いランチに充てられます。お昼時に街を歩いているとテラス席で白熱した議論をしている学生やワインを飲みながらゆっくりしている人たちをよく見かけます。日曜日は昼休みのように大半の店が休業で町は静かです。日本ならば日曜日は通常稼ぎ時なのですが、こちらでは土曜日が一番にぎわっています。店舗などが休みなのに代わり、日曜日の午前中は各地でマルシェ(市場)が開かれています。マルシェは日曜以外の曜日ももちろん行われており、場所や曜日によって種類は様々で、野菜や肉・魚等の食料品の市場だけでなく、服や布の市場や古本市も開かれています。
私はEU圏の美術館・博物館を実際に訪れて観光客目線、日本人の美術を専攻している一学生の目線の両方の側面から考えたことをレポートにまとめていき、最終的にはそれらを参考に架空の企画展案を構想し発表するという計画を進めています。今までは国外とリヨン内の美術館・博物館を訪れていたので、帰国まではフランス国内の美術館・博物館を巡ろうと考えています。
最初に留学しようと思いはじめたのは、高校生の研修旅行の時に大寒波が理由でイギリスからフランスに移動するのが一日遅れ、ルーヴル美術館を車窓からだけしか見られなかった時からだったと思います。そのため、留学するのもフランスがいいと思っていました。また、大学に入ってから履修したフランス語の先生の授業が魅力的だったということにも後押しされました。
6月に給付型奨学金をいただくことが決まったあたりから本格的に準備を始めました。私が留学した協定大学は日本の多くの大学と協定を結んでいたのでインターネットでいくつかの留学報告書を見て必要な情報を集めました。ビザの申請も東京でしかできないということもあり、早い目に言った記憶があります。
2食付きのホームステイでした。
前期
月曜日:フランスの文化 フランス語文法(両方とも留学生必修) 空手
水曜日:1年生の日本語文法の授業
木曜日:美術史
後期
月曜日:フランスの文化
水曜日:日本語文法 日本語会話応用
木曜日:16世紀 美術解剖学・詩 日本語会話応用
日本語の授業は日本語教育がどのようなものか見たかったというのと友達作りのきっかけにという理由で受けていました。
時間 | 内容 |
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8:00 | 起床 |
10:30-12:00 | 日本語文法 |
12:00-18:00 | 友達の家で昼ご飯 一緒に美術館に行く |
18:00-20:00 | 日本語会話応用 |
21:00 | 帰宅 夕食 |
22:00 | 勉強 |
24:00 | 就寝 |
一番大きく変わったのは自分の作風だと思います。フランスではいろいろな背景を持った人がいて日本よりも考えの振れ幅が大きいと感じました。人によって問題だと捉えていることが違うので、今日本で問題になっていないことがフランスでは「ありえない」と言われ内在した問題に気付かされたことが多かったです。そのようなこともあって以前は自分の世界や理想化したものがテーマだったのが、帰国してからは社会問題をテーマにしたものに変わりました。
美術の勉強を続けていきたいと考えています。自分の作風の幅を広げ、様々な人に作品を通して色々な物事を伝えられればと思っています。
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