中尾 友喜さん 公開日  :  2023-02-06

Nara ISC/ 国際戦略センター(@奈良教育大学)

滞在記

a) ここまでの生活を振り返って

 非常に充実した留学生活を送れています。毎月、毎日違った発見があり、わくわくの連続です。最初のひと月は、特に何もかもがカルチャーショックでした。ルームメイトとの生活、大学の広さ、食堂やレストランでのご飯、大学構内にいる動物(リス)、スーパーの品ぞろえ、スポーツの応援の仕方、ステーキのデカさなど挙げだせばきりがないほど、どれもこれも衝撃だったことを思い出します。何か月経過しても、衝撃に出会わなくなることなく、ふとしたときにやって来ます。中でも一番は、何といってもハロウィンのパーティーでした。というのも、日本ではコロナがどう、マスクがどうと、テレビや学校でいわれ続ける中、アメリカの田舎の方のアパートでは、マスクしている学生などいるわけもなく、100人弱の人間がアパートの一室に詰め入り、音楽に合わせ、タバコとアルコール、人の汗の臭いの中、踊り明かす体験をしました。夜中1時くらいに途中退席はしたものの、あの洗礼は今でも鮮明に思い出します。ここでは書ききれないほど異文化体験ができており、この先残りも、最高の留学になりそうです。

b) 留学目標の進捗状況

 アメリカに旅立つ前に、“ネイティブみたいに英語を話せるようになる”ことをこの留学の目標に掲げていました。進捗状況は、正直かなり厳しいものです。というのも、日本の英語教育からうっすらと見えていたゴールは、目標達成のゴールの何ものでもなく、ただの思い違いでした。日本の英語教育では、“文法よりコミュニケーションだ”とか、“適切な量のインプットとアウトプットだ”とか、とやかく言われますが、英語をペラペラに話すには何もかも足りておらず、学校英語はただの受験英語に過ぎないのだと気づきました。もちろん、受験英語の土台があったからこそ、最初は拙い英語で何とか会話できていました。つまり、現地に来て英語に触れ続けない限り、僕の目標は達成されません。という意味で、目標達成に確実に進んではいるものの、ゴールはまだ見えていないというのが現状です。残りの期間にできるだけ前に進んでから、また日本という島国に帰りたいと思います。

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韓国人の友達と雪の中、アメフトの大学のホームゲームを見に行ったときの写真。

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デトロイトにあるNBAチームのホーム戦で、中央スクリーンにCMUの学生として映ったときの写真。

帰国報告

留学をしようと思ったきっかけは何ですか。また派遣国(協定大学)を選んだ理由は何ですか。

将来英語教師になりたかったから。学費の安い交換留学がよくて、奈良教育大学の2つのアメリカにある協定校のうち、比較的規模が大きいと聞いていたから。

 

留学までのプロセスを教えてください。(準備を始めた時期や準備した事など)

出発する前の年の夏ごろに面接があり、出発する年の夏ごろにVISAやパスポートの取得や荷物の準備、航空券の手配を行った。

滞在方法を教えてください。

寮または友達の家

現地での授業時間割を教えてください。

秋 月・水に2コマ、火・木に2コマ

春 月・水に3コマ、火・木に1コマ

ある一日のタイムテーブルを教えてください。

時間

内容

8:30

起床

9:00

授業

10:50

授業終了

11:30

食堂にて昼食

12:30

授業

13:50

授業終了

15:30

授業

16:45

授業終了

17:00

食堂にて夕食

19:00

友達と運動

21:00

シャワー

23:00

就寝

 

留学を終えて自分自身で変化したことを教えてください。

英語に対する距離感が変わった。Instagramで英語の動画が流れることが多くなったり、英語でDisney+の映画を見るようになったり、海外でできた友達と英語でメッセージを送り合って会話したりするようになった。

 

帰国後の展望を教えてください。

岡山県の公立の教員採用試験を受けており、また、私立岡山学芸館高校の面接もあり、それらの結果によって岡山県のどこかの高校で英語教師をしていると思います。その英語教師として教壇に立って英語を教える際に、今回できた経験を子供たちに伝えていきたいと思っています。

 

帰国報告(自由レポート)

自由レポート タイトル:貯金にしていきたい留学生活

 高校時代の同級生が、僕がアメリカ留学している同時期にカナダに留学しており、“勉強と経験は全然別物”と言っていて本当にその通りだなと思ったことを覚えている。留学中に、寝て過ごそうが、YouTube見ようが、日本語で話そうが、日本にいた時と大差なく過ごそうと思えばできた。それでも、今日は現地の友達と映画見に行こう、スポーツしよう、日本語と英語の教え合いをしようなど、自分の工夫次第で、今回の留学を何倍もの価値にできることもできたのも確かであった。そうしようと楽しみつつも、何か誘いやイベントごとがあれば、積極的に参加していた。中には、苦い思い出、面白くない退屈な思い出もあったと思うが、今覚えているのは、友達と遊び、笑い、楽しんだ記憶しか残っておらず、充実した留学であったとふと振り返る。今回は、留学期間を3つに分け、前期・中期・後期(各3か月)で振り返っていきたい。

 まずは前期、何もかもが新しく、空港で初めて食べたアメリカのマクドナルドでのわくわくや、空港内のレストランで昼食を取った後にチップを置いて立ち去ったときのどきどきは今でも覚えている。知らない異国の地に出発し、今日の寝床はあるのか、どういった生活をし、どんな人たちと関わっていくのか、何もわからない緊張と不安を感じていた。空港に迎えに来てくれた、語学クラスを担当してくれたJoshua先生との空港から学校までの1時間ほどのドライブ、最高に良いやつだったルームメイトのMatthewとAdamとのこれからよろしくという拙い会話、寮のおいしくないご飯など初めの5日間くらいはなかなか生活になじめず、日本にいた時では考えられない、朝7時頃に目が覚め、大学構内を散歩しに行っていたりしていたことを思い出す。

 だんだん生活にも慣れてきた10月、ハロウィンパーティーのことは今でも忘れない。イベントごとに積極的に参加しようとしていたため、夜12時くらいに大学近くのアパートで大学生の誰かが主催しているハロウィンパーティーに友達と参加した。そのアパートの部屋に100人を超えていそうな学生でぎゅうぎゅう詰めになりながら、踊り、叫び、騒いでいた世界に自分も迷い込んでしまったことを覚えている。もちろん、今となっては”良い経験“だが、その部屋には、汗、酒、大麻の臭いが充満し、この世のものとは思えない光景であった。そんな中日本では、三密を避けましょう、マスクをしましょうと言われている時期だったと考えると、世界は広く、これまで過ごしてきた日本が、世界から見てとても小さな世界だったと感じる。

 次に、中期では、だんだん生活にも慣れ、友達も増えてきたし、授業の内容も濃くなってきていた。また、12月の2週目で秋学期が終わり、食堂が閉まってしまうため、生活できるか不安であったが、ありがたいことに友達の家で過ごさせてもらえることになり、3週間のホームステイが始まった。そのホームステイ先で、アメリカのクリスマスの祝い方を学べた。クリスマスのライトアップを家屋に装飾し、クリスマスツリーを飾り、包装紙で包んだたくさんのプレゼントをそのツリーのもとに置き、クリスマスになったらそれらを配る、また、驚いたことに、クリスマスプレゼントは一人一つとは限らないようで、ホストファミリーからは3つもらった。中期にはこういった伝統的な祝日の本場の祝い方を体験することができた。

 そして後期、ルームメイトのMatthewとAdamとの別れ、その他仲良くなった友達、見慣れてきたキャンパスとの別れ、もっともっと英語を使って学びたいと思いつつも、VISAの滞在期限が迫ってきていたため、アメリカを離れなければならなかった。そういった別れはつきものだが、伝えられるだけの感謝は、お世話になった人たちに伝えてきた。そういった思いで帰ってきたが、日本で学べることも多いということに帰国後強く感じている。アメリカで通用していたことが日本では通用しないこともたくさんあり、特に礼儀や思いやりは日本人の素晴らしい国民性だと学んだ。

 留学に行ったから、英語が並の日本人より話せるからすごいのではなく、留学で学んだこと、日本に帰ってきて留学中の生活と比較して学べることから、日本人という一人間としてこれからも成長していくことが大切であると思う。留学期間は終わったが、まだまだ留学の価値を高めてこれからの教師人生の貯金にしていきたい。

 

留学にかかった費用

留学先: セントラル・ミシガン大学
留学期間:2022年8月~2023年5月
費用総額:約200万円

 

留学期間中にかかった費用総額

月平均の項目別支出額

支出項目

金額($1=125~150 円換算

内訳

授業料等・宿舎費・食費

秋 20万円春 16万円

※奨学金込み

交通費

約4000円

 

学用品/図書

2万円

 

衣服費

5万円

 

通信費

2000円

ハナセルSIMカード

教養費

0円

ホームステイのため、なし

雑費

多数

 

医療費

0円

 

旅行等

約82万円

フロリダ 40万、ニューヨーク 30万、シカゴ 6万×2

特記事項

円安の影響あり

節約は可能

 

帰国報告会 資料

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カテゴリ   :   セントラルミシガン大学 , 海外の協定大学 , 留学体験記
最終更新 : 2023-07-21 16:49