奈良教育大学教育資料館所蔵

その他の歴史的文書 全文収録

梅村佳代 奈良教育大学名誉教授
(現職時:学校教育教育学・教育史 教授)



(01)骨董集上編前帙上之巻 全文表示

(02)骨董集上編前帙中之巻 全文表示

(03)骨董集上編後帙下之巻前 全文表示

(04)骨董集上編後帙下之巻後 全文表示

(05)用捨箱 天(上之巻) 全文表示

(06)用捨箱 地 (中之巻) 全文表示

(07)用捨箱 人(下之巻) 全文表示

(08)好古日録 本 全文表示

(09)好古日録 末 全文表示

(10)明星抄 上 全文表示

(11)明星抄 下 全文表示

(12)尊朝親王御真跡詩歌 全文表示

(13)尊円親王官次官 全文表示

(20)世話用文章 上・中 全文表示

(31)男女孝行子供みやげ 全文表示

(34)手習仕用集 全文表示

(35)龍田詣 并散草 全文表示

(36)新版 注釈千字文 全文表示

(37)小倉山家風 全文表示

(38)色紙短大寸法書 全文表示

(39)入木須知 全 全文表示

(40)民間圖誌口八町 全文表示

(41)芳野通の記 全文表示

(42)和歌伊勢海 全文表示

(43)入木抄尺釋義 全文表示

(44)畫本野山草 全文表示

(45)本朝名家手簡 全文表示

(46)文房圖録 玉・二明・銅・雑 全文表示

(47)小篆刪柱 全文表示

(48)本朝畫印 全文表示

(49)續文淵遺珠 全文表示

(50)櫻品 全文表示

(51)長恨歌傳 全文表示

(52)風雅帖 全文表示

(85)五節往来 全文表示

(86)庭訓往来 全文表示


(01)骨董集(こっとうしゅう)上編前帙上之巻 全文表示

(02)骨董集(こっとうしゅう)上編前帙中之巻 全文表示

(03)骨董集(こっとうしゅう)上編後帙下之巻前 全文表示

(04)骨董集(こっとうしゅう)上編後帙下之巻後 全文表示

[異称]
題簽あり。外題は『骨董集上編上』『骨董集上編中』『骨董集上編下前』『骨董集上編下後』、 内題は『骨董集上編前帙二冊』『骨董集上編後帙二巻』
[書型]
大本(たてよこ27.0×18.0センチ)上編上・上編中・上編下前・上編下後の四冊。丁数は上編上23丁、上編中34丁、上編下前27丁、 上編下後37丁である。
[作者]前帙では醒醒老人(山東京傳)、後帙では醒斎老人とある。同一人物である。
[板種]
江戸書林僊鶴堂。上編前帙二冊は文化11(1814)年12月出版、上編後帙二巻は文化12(1815)年12月出版。 書林は大坂は心斎橋筋傳馬町の塩屋長兵衛、江戸は通油町仙鶴堂の鶴屋喜右衛門。
[類型]随筆
[内容]
上之巻では「好事之心得」以下27項目あり「竹馬」「伊勢風呂吹」「浮世袋」などみられる。
中之巻は「名古屋帯」以下25項目あり「炬燵」「大津絵仏像」などある。下之巻本は「毬杖」以下25項目、 下之巻末は「勧進比丘尼絵解」以下35項目あり。
[備考]
傭書は上巻は嶋岡長・中巻橋本徳瓶、下巻巻末は藍庭林信、刷人は前帙は名古屋治平と鈴木栄次郎、 後帙では名古屋治平と朝倉吉次郎

(05)用捨箱(ようしゃばこ) 天(上之巻) 全文表示

(06)用捨箱(ようしゃばこ) 地 (中之巻) 全文表示

(07)用捨箱(ようしゃばこ) 人(下之巻) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は「用捨箱柳亭種彦翁随筆」
[書型]中本(たてよこ25.0×18.0)天・地・人の全三冊。丁数は巻の天は26丁、巻の地は25丁、巻の人は29丁。
[作者]柳亭種彦編
[板種]
東京雅書房の版。明治23(1890)年5月補刻製本されたもの。発兌所は京橋区本材木町三丁目朝陽館の柏原政次郎。 弘売書肆は吉川半七(京橋区南傳馬町)、敬業社(神田区小川町)、青山清吉(小石川区傳随院前)、鶴巻支店(芝区神明前)、 大倉孫兵衛(日本橋通一丁目)、斎藤鎌造(下谷区池之端)、目黒支店(京橋区一丁目)、吉田久兵衛(浅草区広小路)
[類型]随筆
[内容]
柳亭種彦の随筆であるが目録によると上之巻・中之巻・下之巻の三部編成である。 随筆は上之巻では十四話、中之巻では十九話、下之巻では十八話あり通計五十一話からなる。
<目録>
上之巻
一、草紙の読初 二、ちいちやの童謡 三、餅屋の看板 四、後暗観音 五、鍋取杓子の古製 六、六郷酒匂之土橋 七、昔之祭礼  八、粥之木折りかけ灯籠 九、御事 十、伊豆山廼梛の葉 十一、六方詞 十二、春秋の絵櫃 十三、捨てあるといふ曲子  十四、米饅頭の名義

中之巻
一、候べく候 二、在家の高灯籠 三、禿の菖蒲うち 四、紙張売紙子売 五、金銀を伽羅といふ隠語 六、荷ひ風呂 七、椿頬燕脂  八、涙法師かな法師 九、掃地坊 十、とちめん坊 十一、やんちや坊 十二、とられん坊 十三、七色売 十四、誰袖。花袋  十五、土手節。加賀節 十六、質屋の看板 十七、真鍮屋の金魚 十八、物を賞美て伽羅といふ 十九、師走坊主

下之巻
一、ぐりはま芋の山 二、浄瑠璃本刊行の始 三、奥浄瑠璃 四、蚊帳に香袋を掛 五、枕箪笥 六、夢想枕夢想流の髪  七、滝井山三郎 八、八人座頭 九、銭独楽の流行 十、俳諧の句を狂歌と誤る 十一、下帯を手綱といふ 十二、別当といふ俗語  十三、太郎次郎 十四、天が紅尼が□粉 十五、饂飩屋の看板 十六、大女<阿与米 附甫春 十七、袖頭巾 十八、追考二條
[備考]
本書は明治になってからの補刻本であるが、原本は天保12(1841)年柳亭種彦により著された。
柳亭種彦(1783〜1842)は江戸後期の戯作者。代表作は『偐紫田舎源氏』(初編文政12年発刊)。
文壇デビュ−作品は文化4年の読本『奴の小まん』続いて翌年も読本『霜夜星』『阿波之鳴門』『総角物語』 など読本製作であったが、後に絵入りの長編小説ともいえる合巻創作に新たな資質を発揮した。
文化年間以後江戸では合巻の草双紙が流行した。また柳亭種彦は考証的な興味が深く、学問的に凝った著書 『還魂紙料(かんこんしりょう)』(文政9年)と考証的な随筆『用捨箱』(天保12年)を著している。
人物は穏健勤直で考証的知識は深く、趣味性のある人物であった。
(『国史大辞典14』所収、鈴木重三執筆「柳亭種彦」参照)

(08)好古日録(こうこにちろく) 本 全文表示

(09)好古日録(こうこにちろく) 末 全文表示

[異称]題簽あり。外題は「好古日録本」及び「好古日録末」である。題簽に一部破損あり。
[書型]大本(たてよこ26.0×18.5センチ)本巻一冊と末巻一冊で合わせて二冊。丁数は本巻が33丁、末巻が36丁。
[作者]藤原貞幹
[板種]寛政9(1797)年4月京都書肆/林伊兵衛・小川多左衛門・西田莊兵衛・北村莊助・□□惣四郎
[類型]文化財
[内容]
古事や古語、語彙、歴史用語などをとりあげて解説を加えたもの。目録によれば以下のように119点について題目によっては 絵入りで解説が付されている。
<目録>
一、秦璽 二、漢委奴国王印 三、親魏倭王印 四、関羽印 五、不動倉印 六、崇福寺造寺司印 七、古銭 八、南燎灰吹銀 九、石敢當 十、古瓦文字 十一、石人石室 十二、石人 十三、碑 十四、淳化閣帖 十五、古竹簡 十六、古文  十七、古本(尚書、詩経、又素本、論語踈、又集解、古文孝経、又御註孝経、孟子、又春秋左氏傳、蒙求、又) 十八、山口本  十九、活字水鏡 二十、古刻柳韓文 二十一、活字神代紀 二十二、舊本家傳 二十三、逸書 二十四、正保帝御點四子  二十五、四書小学 二十六、孟子 二十七、活字年中行事 二八、古暦本(国字、活字、片仮名) 二十九、安南暦日 三十、暦日異同 三十一、書皮 三十二、解文 三十三、手印 三十四、回状 三十五、花押 三十六、手継 三十七、料紙(車雙紙)  三十八、飛白花押 三十九、梵字花押 四十、牛王 四十一、唐人真蹟 四十二、省画 四十三、委倭和通用 四十四、藤字  四十五、六立習 四十六、片仮名 四十七、周尺 四十八、晉前尺 四十九、小尺 五十、古尺 五十一、弓 五十二、古斗 五十三、又  五十四、上世食器 五十五、クツガタノ餅 五十六、ハクムカシ 五十七、十徳 五十八、アミ衣 五十九、鶴□ 六十、古錦 六十一、金襴金緞諸錦 六十二、籠目□ 六十三、條布 六十四、緞毯 六十五、紫奪緋 六十六、退紅  六十七、小葵 六十八、鳥襷鳥 六十九、古花様 七十、古琴 七十一、鋳剱鉾鋒 七十二、印櫃 七十三、絲□車 七十四、鴨毛屏風 七十五、書翰屏風 七十六、歴世古物  七十七、歴世文書 七十八、延元後五十年間遺器(文書附) 七十九、不知年世古器 八十、無名古器 八十一、制札寸法 八十二、界牌 八十三、茶匙 八十四、碁子 八十五、雑器 八十六、檀紙 八十七、宿紙  八十八、各色紙 八十九、染紙 九十、錦花鳥 九十一、蝶鳥 九十二、□画 九十三、スナガシ 九十四、玉石 九十五、字 九十六、和歌彌多弗利 九十七、踏印  九十八、嗚呼 九十九、称唯
百、織簾 百一、駆難詞 百二、炎上 百三、スバ 百四、俗語 百五、吉凶方頭 百六、葉月 百七、韓語 百八、新羅寫佛経  百九、新羅年号 
百十、為客置簿 百十一、假賃喪具 百十二、浅間山 百十三、靺鞨 百十四、憲清宅 百十五、大和真吉 百十六、岩佐又兵衛  百十七、伊孚九 百十八、絶伎 百十九、相感
[備考]寛政8(1796)年春、藤原資同による序文あり。

(10)明星抄(みょうじょうしょう) 上 全文表示

(11)明星抄(みょうじょうしょう) 下 全文表示

[異称]題簽あり。
[書型]中本(たてよこ22.5×15.0センチ)上下二冊。丁数は上巻51丁、下巻50丁。
[作者]与謝野晶子
[板種]大正7(1918)年3月25日発行、発行者は金尾種次郎、発行先は金尾文淵堂。東京市麹町区平河町五丁目二
[類型]和歌集
[内容]与謝野晶子創作の和歌を一丁二歌ずつで編集されている。
[備考]校訂平福百□、印刷は大正7年3月21日西村熊吉、表紙の装丁は源氏物語絵巻の図柄、彩色あり。


(12)尊朝親王御真跡詩歌(そんちょうしんのうごしんせきしいか) 全文表示

[異称]題簽あり。書名は題簽による。
[書型]大本(たてよこ31.5×21.5センチ)一冊、丁数は37丁。
[作者]
不明。巻末に法印葉廣によりこの詩歌の色紙の文字は龍池院宮(尊朝親王)の真翰であるとの証明の奥書が付されている。
[板種]霞亭蔵板。安永5(1776)年11月京都八幡屋勘三郎、彫工樋口源兵衛
[類型]書手本
[内容]
草書と仮名を交互に手本としてしようできるように編集されている。
仮名は散らし書きの練習用としても工夫されている。冒頭には草書で「野草芳非紅錦地遊総繚乱碧羅天」とあり、 続いて仮名書きで「もしきのおつ宮人ハいとまあれやさくらかさしてけふもくらしつ」とあり、 漢字と仮名文字の詩歌36対72枚からなっている。
[備考]京都書林は三条通烏丸西ヘ入町

(13)尊円親王官次帖(そんえんしんのうかんじちょう) 全文表示

[異称]題簽あり。書名は題簽による。
[書型]折り手本(たてよこ32.0×13.5センチ)一冊、31折り
[作者]不明
[板種]不明
[類型]折本
[内容]
官次第が書き上げられている。神祇官、太政官、中務省、内記房、監物房、太皇太后宮職、皇太后宮職、皇后宮職、中宮職、 大舎人寮、図書寮、内蔵寮、縫殿寮、陰陽寮、内匠寮、式部省、大学寮、治部省、雅楽寮、玄蕃寮、諸陵陵、民部省、主計寮、 主税寮、兵部省、隼人司、刑部省、判事、同獄司、大蔵省、織部司、宮内省、大膳職、掃部寮、正親司、内膳司、造酒司、采女司、 主氷司、彈正台、左京職、東市司、右京職、西市司、東宮、春宮坊、主膳監、主殿署、主馬署、主工署、伊勢主神司、斎宮寮、 斎院司、修理職、勘解由使、鋳銭司、兵庫寮、征夷使、鎮守府、陸奥出羽按察使府、施薬院、侍従厨、内堅所、防鴨河使、 造伊勢太神宮、造伊勢豊受宮、造東大寺、修理東大寺大仏司、造興福寺、穀倉院、修理宮城使、検非違使、勧学院、学□院、 奬学院、淳和院、内教坊、朱雀院、正蔵率分所、装束司、殿上、蔵人所、御書所、御厨子所、楽所、記録所、諸道得業生、一院、 文殿、蔵人所、進物所の各官名が書き上げられ、 その官僚組織のもとにある長官・次官・判官・主典等の官職名が書き上げられている。
[備考]表紙に地文様あり。

(20)世話用文章(せわようぶんしょう) 上・中 全文表示

[異称]題簽なし。外題は『世話用文章』
[書型]大本(たてよこ27.0×19.0)上・中合本。丁数は上が30丁、下が30丁、合わせて60丁。
[作者]苗村丈伯(草田)
[板種]出版年不明。
[類型]往来物消息類
[内容]
序に続いて大工仕事の絵柄の口絵、冒頭は「世話用文章上」ではじまる。頭書は本文の語彙をとりあげ解説を加えたもの。
本文は「四方八方之花仰山盛ニ成申候由、明日震動雷電杯致候は薄情か存候間、去来不落離より見物に御出被成間敷候、 鼡栗々連立可申候、恐々謹言」「方丈様御談義童戯交ニ颯破理より御説被成候殿、穴貴哉より参詣如雲霞、多集申候、 私茂徒具念者聴聞仕處、昨夜咄野平等、夜更今日者迂疎眠肝心之處聞弛、瓢事仕候恐惶謹言」といった長短の手紙文を 上巻には二一通、下巻には一七通集めて編集したもの。
[備考]なし

(31)男女孝行子供みやげ(だんじょこうこうこどもみやげ) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は『男女孝行子供みやげ全』
[書型]中本(たてよこ22.5×16.0センチ)一冊。丁数は12丁。
[作者]不明
[板種]宝永5年(1708)秋出版。大坂・吉文字屋六兵衛(心斎橋南四丁目)
[類型]往来物語彙類
[内容]
頭書「天神経」。いろは文字がカルタとして子供用に平かなで描かれている。
たとえば「い」は「いとけなき、ひとにみせはや、いろはうた」、「ろ」は「ろんずるかたハ あらたまの」とある。最後の「す」は「すまやありの月見より」となっている。
「京」の字に続いて数字が「一、二、三−−−億」までと「石、斗、升、合、夕、才」がある。
次にいろはを漢字で表した「以、呂、波、仁−−−寸、京」とあり、再び「一」から「億」までの 数字と「石、斗、升、合、夕、才」がある。さらに片仮名の「イ、ロ、ハ、ニ、−−−ス、京」 とあり、漢字の数字「壹、貮、参、四、−−−億」となり「石、斗、升、合、夕、才」となって いる。
それらのすべてにカルタとして文字が書かれている。数字の場合は「八」ならば「やをよろづ世の かみかけて」とあり、「万」であれば「万ほうよりも子たからと」とある。
漢数字の「奴」では「ぬれたるかたには、はしかふく」とある。片仮名の「ロ」ならば 「ろくぢになせばなるならひ」とある。
最後の「才」は「さひはいあつまり、しそんはんぢやう」と締めくくられる。
全体として子どもにも解り、大人も読むことを考慮し、カルタ遊びで平かなや片仮名、 漢数字や升目が解るように配慮されている。
頭書に挿絵もあり。奥付にはいろは文字と「諸行無常」の四文字四行あり。
[備考]なし

(34)手習仕用集(てならいしようしゅう) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は『新版手習仕用集全』、内題は『手習仕用集巻上』
[書型]大本(たてよこ26.5×18.5センチ)巻上・巻下合綴で一冊。丁数は54丁。
[作者]笹山梅庵書
[板種]元禄6年(1693)6月上旬。大坂・大海堂吉文字屋市兵衛(心斎橋南四丁目)
[類型]往来物
[内容]
江戸初期の文字が庶民に求められるなかで、「筆の道」ともいえる文字の手習いについて原理を明らかにしたもの。
「序」では作者により「筆のみち片言まじりにをこがましく書き集め手習仕用集と名付く」としている。
巻頭より絵入りで筆のもち具合と名称やそもそもの意味について論じられている。続いて運筆について論じられ 「文字に霊ありて厚し如此の習ひに修行をつまざれは、細工事とて紙に墨乃しずむ事遅し」と述べる。
巻末には季節ごとの書状雛型9通を収める。
[備考]裏表紙扉に定栄堂吉文字屋市兵衛発刊の儒署暦書品目の広告あり。

(35)龍田詣 并散草(たつたもうでならびにちりくさ) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は『龍田詣并散草』
[書型]大本(たてよこ28.0×19.0センチ)一冊、丁数は40丁。
[作者]浦井丞右・船田雅通
[板種]宝暦6年(1756)正月。江戸・鶴本平蔵(日本橋南弐丁目)
[類型]往来物地理類
[内容]
往来物で当時非常に人気の高かった「龍田詣」の内容が前半に9丁にわたり収められている。
また、後半では仮名の散らし書きが10丁から40丁まで手習いの手本として収められている。
作者によれば本書は「長雄耕雪先生嗜翰墨平日所書之法帖集」を遺墨書として弟子により上梓されたものである。
[備考]
往来物の「龍田詣」については拙稿「大和地域の地往来物の研究」 (『奈良教育大学紀要』第46巻第1号1997年)参照されたい。

(36)新版 注釈千字文(ちゅうしゃくせんじもん) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は『新板注釈千字文全』内題は「新刻補註千字文巻上」
[書型]大本(たてよこ27.0×19.0センチ)巻上一冊。丁数は17丁。
[作者]不明
[板種]延宝4年(1676)11月。井筒屋六兵衛(二条通)
[類型]往来物語彙類(単語類)
[内容]
内題にもあるように新刻で補註付きの千字文の全文が収められている。 本文は八文字ずつ仮名が付されて読本としても使用できる。 また語彙について註が細かく付されて基礎的な習得ができるように工夫されている。
[備考]井筒屋は二条通とあるが大和の奈良大仏前の板元「大仏屋庄八」か。

(37)小倉山家風(おぐらやまかふう) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は『小倉山家風』
[書型]大本(たてよこ27.0×20.0センチ)一冊。丁数は62丁。
[作者]田中保之
[板種]天保6(1835)年冬、製本所/京都・嶋屋仁兵衛(三条寺町東)紀州藩家蔵、
[類型]和歌集
[内容]小倉山百人一首を集めた本。
[備考]なし

(38)色紙短大寸法書(しきしたんざくすんぽうしょ) 全文表示

[異称]題簽なし。外題「色紙短尺寸法書」が表紙に墨書されている。
[書型]大本(たてよこ26.5×19.0センチ)一冊、丁数は53丁。
[作者]不明
[板種]不明
[類型]寸法書
[内容]
様々な色紙や短冊の寸法と書法が書き記されたもの。実用的な寸法書である。
まずはじめに色紙の起こりが説かれ、方角による定め、歌仙万葉書や各種の寸法の定めを明らかにし、 続いて短冊の伝記と七曜寸法など寸法の作法が述べられている。
最後に「色紙之事」でまとめられている。
[備考]写本

(39)入木須知(じゅぼくすち) 全 全文表示

[異称]題簽あり。外題は「入木須知全」
[書型]大本(たてよこ27.0×18.5センチ)、丁数は76丁。
[作者]不明
[板種]
筆道書である。内容は損之事、当代七ケ之損九ケ之大事、尊朝親王手習十三ケ条之記、尊鎮親王より梶井尊悟親王へ送り給ふ書、 覚恕親王入木抄、入木傳来抄(入木道清水谷一流之事、万里小路家にて清水谷傳様と称する事)、青蓮院家を学びたまふ事、 長圓僧正事、尊圓親王御傳、心識段、古能書傳大略、家流派別の次第、(尊圓親王派、尊応派、尊鎮流、尊朝流、尊純流、 道澄流)、尊□御門弟、能書感応傳、鷹之巣之御手本と号する事、難波津御手本之事、拾玉集、筆道書目録、 いろの沙汰などの内容で詳細に展開されている。
[類型]書本
[内容]能書感応傳、難波津御手之事、筆道書目録など
[備考]綴じ糸に破損あり。

(40)民間圖誌口八町(みんかんずしくちはっちょう) 全文表示

[異称]題簽無し。内題『民間圖誌口八丁』
[書型]小本(たてよこ19.0×13.0センチ)一冊。丁数は29丁。
[作者]神屋蓬洲による画と作
[板種]文化丁卯(4年-1807)正月、不明
[類型]読み本
[内容]庶民の娯楽の読み物
[備考]巻之首のみ

(41)芳野通の記(よしのみちのき) 全文表示

[異称]題簽なし。内題『芳野道の記』
[書型]大本(たてよこ25.5×18.0センチ)一冊。丁数は17丁。
[作者]松花堂
[板種]
寛政5(1793)年正月萬笈堂、製本江戸青雲堂英文蔵(下谷御成道)・取次大坂群玉堂河内屋茂兵衛(心斎橋通博労町角)
[類型]地誌−道中記
[内容]吉野道中記
[備考]なし

(42)和歌伊勢海(わかいせのうみ) 全文表示

[異称]題簽あり。
[書型]中本(たてよこ22.0×15.5センチ)上中下三冊を一冊に改装。丁数は84丁。
[作者]権少僧都兼俊
[板種]天文10年8月20日兼俊による。享保5年正月和泉出雲寺元丘により出版。
[類型]和歌集
[内容]
目録によれば名所画図、順徳院百首、百体色紙模様百人一首、信実歌仙之写、和漢詩歌合、三曙三夕和歌、飛鳥井雅章吉野記、 集外歌仙、染筆相傳之故実并色紙短冊之書法屏風押之次第とある。
内容は一丁に四歌と二点の名所図があり天智天皇の和歌と音羽川の景色図からはじまり、三十六枚色紙の詩歌で終わる。
[備考]版元は本家が京都三条通升屋町、出店は江戸日本橋南一丁目

(43)入木抄尺釋義(じゅぼくしょうしゃくぎ) 全文表示

[異称]題簽なし、外題は「入木抄釋義全」
[書型]大本(たてよこ27.0×18.0センチ)、丁数は26丁。
[作者]橘行精
[板種]安政3(1856)年心画堂
[類型]書本
[内容]
目次によれば以下の内容からなる。
一、取筆事、一、御本一段々御稽古事、一字勢分事、一、筆仕為肝要事、一、古賢筆仕事、一、離邪僻可専正姿事、 一、不可好異様事、一、真行草事、一、御稽古分限露顕事、一、稽古間善悪相示事、一、御稽古時分事、一、手本用捨事、 一、手本多大切事、一、以消息不可為手本事、一、御筆事、一、御墨事、一、御料紙事、一、入木道本朝皇朝事、 一、手跡時代分明事、一、被用能書事
全体として書の入門にあたり基本的に押さえておくべき道具や基礎知識に関わる入門書ともいうべきもの。
巻末には「本朝書傳并入木道相様之図」があり書家の系譜がわかる。
[備考]包装紙有り。

(44)畫本野山草(がほんのやまくさ) 全文表示

[異称]題簽なし。
[書型]
中本(たてよこ22.5×15.5センチ)巻之一〜巻之五の五巻合冊、 丁数は107丁(序2丁・巻之一26丁・巻之二19丁・巻之三23丁・巻之四17丁・巻之五20丁)である。
[作者]俊素軒橘保国(大坂)
[板種]宝暦5(1755)年8月/大坂心斎橋順慶町柏原屋渋川清右衛門
[類型]画本
[内容]
巻之一には甘菊花、紫蘭以下54種の草花の模写絵と解説、巻之二には時計草、春蘭以下35種の草花の模写絵と解説、 巻之三には鶏頭、泥あや免、紫陽花など40種の模写絵図と解説、巻之四には宝相花、外浜すかしゆり、 為朝ゆりなど28種の模写絵図と解説、巻之五には草はんや、牡丹花、牡丹芽出など32種の草花の模写絵と解説がなされている。
[備考]彫刻/大坂藤村善右衛門・大坂藤江四郎兵衛

(45)本朝名家手簡(ほんちょうめいかしゅかん) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は「本朝名家手簡」
[書型]大本(たてよこ26.0×18.0センチ)、丁数は21丁。
[作者]香雪山
[板種]天保12(1841)年
[類型]書本
[内容]
古今名人の書翰を集めたもの。三宅萬年、新井白蛾、村瀬拷亭、奥田拙古、飯尾宗祇、千利休、松村紹巴、僧似雲、釈沢菴、 釈江月、狩野探幽、釈浩然の書簡と取り上げた人物の簡単な紹介文もあり。
[備考]なし

(46)文房圖録(ぶんぼうずろく) 玉・二明・銅・雑 全文表示

[異称]題簽有り。外題は『文房図録玉』『文房図録銅』『文房図録雑』
[書型]
大本(たてよこ26.5×18.5センチ)、丁数は172丁。文房図録玉33丁のもの一冊、書画図録二明60丁のもの一冊、 文房図録銅31丁のもの一冊、文房図録雑41丁と7丁のもの一冊
[作者]米菴篠崎小竹弼
[板種]小山林堂弘化5(1848)年2月門人澤徳基・山内晉による参校、[類型]文房図録類
[内容]文房具類の図録と説明。『文房図録雑』の後半には書画文房図録とある。
[備考]
門人の澤徳基・山内晉が校訂、子息の三千・三糺が編集、姪の賀胤・祚胤が絵図、邨嘉千が刻、題簽のないものもある。

(47)小篆刪柱(しょうてんさっちゅう) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は「小篆冊柱全」
[書型]中本(たてよこ25.5×18.0センチ)、丁数は21丁。
[作者]不明
[板種]宝暦年、春篁堂蔵版(皇漢欧令古書籍精選発兌所)大坂小野藤吉
[類型]篆書法本
[内容]偏や旁の篆書書法を説明したもの。一丁に12文字ずつ。
[備考]なし

(48)本朝畫印(ほんちょうがいん) 全文表示

[異称]題簽有り。題簽は破損により上部「本朝」のみ判読できる。
[書型]大本(たてよこ26.5×17.5センチ)。丁数は25丁。
[作者]春日一陽斎
[板種]元禄6(1693)年12月吉野屋惣兵衛丸屋源兵衛
[類型]書本
[内容]
序文では本朝画印史が述べられ上古の太政官印が始まりで、近世にはおおよその者が詩文や書に朱印を用いるとある。
画印を識別するのは便利であるとして、著名人の画印を集め、解説も施されている。
画印史においては周文印、雪舟印、小栗印などの影響力が大きいようである。
[備考]梅岳一陽撰

(49)續文淵遺珠(ぞくぶんえんいしゅ) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は『續文淵遺珠全』。
[書型]小本(たてよこ18.5×12.5センチ)一冊。丁数は90丁。
[作者]東江
[板種]文化2(1805)年夏開刻京都丸屋市兵衛、東都千鐘房萬壽堂與市・須原屋茂兵衛
[類型]語彙・短文集
[内容]巻之上は二字から十六字の語彙、短文・文章、巻之中・巻之下は詩文や文章を集めたもの。
[備考]なし

(50)櫻品(おうひん) 全文表示

[異称]題簽有り。外題は『桜品全』
[書型]小本(たてよこ16.0×11.0センチ)、一冊、丁数は94丁(92+2丁)である。
[作者]松岡典拝
[板種]
宝暦7年(1757)5月梓/宝暦8年正月建仁寺町通四条下ル二丁目中西卯兵衛/京都麸屋町通誓願寺下ル町安藤八左衛門
[類型]画本
[内容]
奈波道圓「櫻譜序」、山崎闇斎「櫻辨」、芦田鈍水「櫻花辞」、怡顔斎松岡玄達が選ぶ「櫻品」について 弟子松岡典百が書き留めた体裁をとって桜の品定めや形について論じたもの。
目録によれば「彼岸櫻単婆重」「糸櫻大小芳野千辨」「熊谷」「婆櫻」から「薄墨櫻」「江戸櫻」「伊勢櫻」 など55項目69種について論じられている。
その内容は古典に基づく博識な内容と共に、各種の桜ごとに「童蒙見分け安からしめんが為−−毎品本文の頭に花形を模写す」 とあるなど一品ずつ桜が模写され子どものみならず誰にもわかりやすいように工夫されている。
巻末には「未考櫻」「堯恵万葉草木異名」「夫木集出櫻名」「櫻の名ありて桜にあらさる類」が掲載され、後書きがある。
[備考]松岡玄達撰

(51)長恨歌傳(ちょうごんかでん) 全文表示

(48)長恨歌傳
[異称]題簽あり。表題なし。
[書型]大本(たてよこ27.0×16.5センチ)一冊。丁数は21丁。
[作者]不明、陳こう撰、長恨歌と琵琶行は環翠軒自筆謄写。
[板種]不明
[類型]漢詩
[内容]長恨歌傳、白楽天の長恨歌、白居易の琵琶行、野馬臺の詩歌
[備考]なし

(52)風雅帖(ふうがちょう) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は『風雅帖』。
[書型]大本(たてよこ28.5×18.9センチ)一冊、丁数は28丁。
[作者]芝泉堂の坂川暘谷
[板種]天保3(1832)年、江戸和泉屋吉兵衛板(芝神明前)。
[類型]書状手本
[内容]風雅な趣を備えた書状の手本の雛型
[備考]なし

(85)五節往来(ごせちおうらい) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は「五節往来全」
[書型]大本(たてよこ32.0×20.0センチ)、1冊、22丁、1丁に4行、1行に8文字の手本である。
[作者]大谷永菴
[板種]文化2年(1805)4月
[類型]往来物消息類
[内容]手紙文雛型12通からなる。
[備考]作者大谷永菴の真筆であることを門人浅田常により添書

(86)庭訓往来(ていきんおうらい) 全文表示

[異称]題簽あり。外題は「庭訓往来」
[書型]大本(たてよこ25.5×17.5センチ)。1冊、22丁1頁12行、1行17字である。
[板種]明治、東京・青雲堂英文蔵
[類型]往来物消息類
[内容]
一月から一二月まで各月ごとに往返一対の手紙文雛型24通からなる。
全文平仮名付、冒頭正月の文はよく知られている「春始御悦向貴方先祝申候、 畢富貴万福猶以幸甚幸甚、抑歳初朝拝者以朔日元三之次、可急申之處被駆催人々子日遊之間、 乍思延引、似谷鴬忘檐花、苑小蝶遊日影頗背本意候畢、将又揚弓雀小弓勝負、笠懸小串之会、 草鹿圓物之遊、三々九手夾、八的等、曲節近日打続経営之、尋常射手馳挽達者、少々有御誘引、 思食立給者本望也、心事雖多為期参会之次、委不能腐毫、恐々勤言正月五日左衛門尉藤原知貞 謹上石見守殿」とある。
[備考]青文堂は江戸下谷御成通。奥付には東叡山御用御書物所とある。

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