総合文化科学課程

芸術文化コース

◆音楽文化専修

 国際化、情報化に伴い多様化・複雑化する現代社会、今、人間の感性やこころの重要性が指摘されています。音楽文化は人間の多様な文化形態の一つであり、あらゆる文化に普遍的に存在する音楽を、総合的・学際的に教育研究することを目的としています。人間のこころが生み出した芸術や文化を科学的に理解し、幅広い視点から、日本の音楽文化を考え、担い、次代の音楽文化を創造しうる人材の育成をめざします。 コンピュータを使った実習


音楽文化専修担当教員
福井 一この地球上には文字をもたない文化はあっても、音楽を持たない文化は在りません。行動科学、文化人類学、認知科学などの手法を用いて、音楽を科学的に研究することを通して、人間の音楽行動の意味や文化を考えています。
前田 則子より美しい色彩的な音を表現するための具体的な演奏法を研究しています。ピアノ作品の他に、歌曲伴奏、室内楽、即興演奏、ピアノ教育についても学習します。
福田 清美人の声は発声に無理がなければ、くり返す度により良くなります。自分に自信を持ち、喉を開け、心を開いてこそ、極限の発声も可能になります。私の先生がそうであったように、『良い所をほめる』。これが私のモットーです。
古川 由美私は最近アンサンブルを主にしています。各自の個性がぶつかり合う中で協調性を養っていき、響きを溶け合わせる事のすばらしさはまさに教育の原点であるとかんがえています。


主な授業科目とその内容
●音楽と文化  音楽を人間の文化の一つととらえ、生物学や文化人類学などさまざまな学問的視点から音楽について学びます。そして広い視野から、人間と音楽、社会の関係について考えます。
●ミュージカル  それぞれの授業で学んだ知識や経験を、創作ミュージカルの制作を通じて、具体化していきます。仲間との共同作業のなかで、試行錯誤を繰り返すことにより、バラバラだった知識と経験が知らず知らずのうちに自身の中で一体化していきます。 ミュージカル
●音楽情報論  今や音楽はデジタルを抜きにして考えられません。この授業では音楽を人間と環境をつなぐメディア(情報媒体)と位置づけ、文字や言語などの音楽以外のメディアとの比較から、音楽情報が人間や社会に及ぼす影響を考えます。
●パフォーマンス  国際化時代、これからの日本人は、ますます自己表現カが求められます。この授業では、言語では表現できない、体や表情でのコミュニケーション(ノンヴァーヴァル・コミュニケーション)を、音楽を用いた即興身体表現を通じて学びます。
●音楽文化実習  日本の伝統音楽(琴、三味線、尺八)や民族音楽(シタール、パンパイプ)を実習します。そして、実技体験を通じて、それぞれの講義(日本音楽、諸民族の音楽)で学んだ知識との総合化をはかります。
●声楽、ピアノ実技 演奏を通して、音楽作品の内容を探り、表現方法を学びます。


◆書道芸術専修

長い歴史と伝統をもつ書道芸術について、その魅力の根源を分析研究して、将来にむかっての可能性を探求し、その成果を幅広く現実化することを目的とします。
 そして毛筆書道のみならず各種の用具を用いた書法について幅広く研究することや、書道を従来のように「個人的な名人芸」としてのみ捉えるだけではなく、文字を一つの「図形」としても捉えて、新しいメディアの世界でも文字を有効に活用できる技術の開発や人材の育成を目指しています。


書道芸術専修担当教員
福光 佐今 漢字書法の骨格を、中国書法の代表的な古典の臨書を通して理解し、書の美を実制作を通して体得することを第一義とします。その導入として、書体をこえた漢字の持つ造形美・構築美の普遍性を追求していきます。
豊田 宗児 漢字は、その発生した時の意匠を色濃く今に伝える文字です。篆書・隷書・楷書・行書・草書の各書体が持つ造形美や構築性を作品に取り込み、遺憾なく発揮した書法家達の芸術作品を研究しています。
吉川 美恵子 古筆の現代作品への展開方法について、特に藤原佐里、本阿弥光悦の消息にみる書美の分析を通して、かな中字、大字作品への展開方法について研究しています。
松本 宏揮 書法の歴史は、文字の字体の歴史と書風の歴史に区分されます。字体の研究は文字学の分野ですが、書風の変遷には民族や流派や時代の美意識が関わっているので、歴史学や文化史、美術史学など、いろいろな視点から研究しています。


主な授業科目とその内容
●書道と社会  今や文字や書道を取りまく環境は大きく変化した。書法芸術の長い歴史や伝統を社会のなかで生かす工夫を探る。
●文字図形論  個人的な名人芸のほかに、今後は、文字を客観的な図形として捉える視点からの研究が不可欠となる。
●漢字造形論  古典的な作品の書法分析を通して、文字造形の技法を理論的に解明し、表現手法として具体的に提示する。
●仮名造形論  古筆の研究を中心として仮名作品に必要な感性を錬磨し、現代芸術と仮名書法との接点を探る。
●法帖講読  漢字も仮名も、手本の文章の内容は難解であるが、原文に即してやさしく講読する。
●学外演習  学外のいろいろな機関に所蔵されている書法作品や文字資料を、現地に出向いて調査、鑑賞する。


 教育研究組織へ
 教育組織の目的(取得できる教員免許・資格)
 総合教育課程
 奈良教育大学ホームページ