学校教育教員養成課程

言語・社会コース

 これまでの小学校・中学校の教員養成課程の国語専攻・社会専攻・英語専攻を一つのコースにしました。このコースは以下の3つの履修分野が連携して、言語と社会の総合的な理解を図ります。日本語についての教育を研究する国語教育履修分野、社会を地理、歴史および公民的な視点でとらえて教育することを研究する社会科教育履修分野、国際的なコミュニケーション言語としての英語についての教育を研究する英語教育履修分野があります。免許は小学校と中学校(国語・社会・英語から一つ)を取得することができます。

◇国語教育履修分野

 私たちのおかれた環境では、母語としての日本語の能力は、コミュニケーションやそれに基づく認識活動・思考活動の母体かつ中枢として育てていかなければならない基礎・基盤的な能力です。わが国の豊かな言語文化を糧にして、これからの学校教育においても不易な使命として、児童・生徒の日本語の運用能力の育成が求められています。
 国語教育の使命は以上の通りですが、本学の国語教育を履修する分野には、国語科教育・国語学・国文学・漢文学の各専門領域があり、7名の教官が担当しています。2回生は、国語教育分野にかかわる基礎・基本の学修に努めます。3回生になると、各自の卒業論文のテーマにかかわる研究室に所属し、継続的な指導を受けることになります。また、研修旅行や卒業論文発表会などの行事に参加し、他者との交流を深め自己形成をめざします。さらに、国語教育履修分野では、教官、大学院生、卒業生とともに奈良教育大学国文学会を組織し、研究発表会の開催と機関誌『国文一研究と教育一』の刊行を行い、縦と横のつながりを大切にしています。
 卒業後の進路は、小・中学校等の教員、地方公務員、国家公務員、大学院進学、日本語教師、塾講師、企業就職等多岐にわたります。
授業の様子(国語)

主な授業科目とその内容

<日本語学概説・日本文学概説・漢文学概説・国語科教育学概説等>
 いずれも専門を深めるための基礎・入門科目として位置付けられており、アカデミックな雰囲気を味わうだけでなく、内容的にもしっかりと理解することが求められます。
<初等教科教育法[国語]・中等教科教育法[国語]>
 ともに学校で国語科授業を展開するための基礎を学ぶものです。
<日本語学演習・古典文学演習・近代文学演習・漢文学演習・国語科教育演習>
 いずれも3,4回生の中核をなす授業科目で、調査・分析・考察・発表・討論と主体的・行動的に学習する姿勢が求められます。これらは卒業論文研究へとつながっていきます。

国語教育履修分野担当
松川 利広国語科教育
棚橋 尚子国語科教育
加藤 久雄国語学
前田 広幸国語学
永池 健二国文学
日高 佳紀国文学
橋本 昭典漢文学

◇社会科教育履修分野

授業の様子(社会)  人問は社会的存在である、といわれます。社会科を構成する人文・社会科学の諸学問は、社会的存在としての人間を、その社会的営為を、あるいは、人間とその営みによってつくり出される社会そのものを、それぞれの視点から研究するものであり、さらに、それぞれの学問の成果を継承し発展させていくことによって、社会的存在としての人間を育てようとするものです。
 社会科教育履修分野の履修内容には、哲学・倫理学、歴史学、地理学、政治学、法律学、経済学、社会学、社会科教育の各専門領域があり、12名の教官が担当しています。この履修分野を選んだ学生は、3回生からはそれぞれが関心をもつ専門領域の各教官の研究室に所属し、卒業論文作成に向けて指導を受けることになります。
卒業後の進路は、小・中学校等の教員、大学院進学、公務員、企業就職など様々です。

主な授業科目とその内容

<概説・概論………・日本史概説・倫理学概論など>
各専門領域の学問・研究への基礎を固めていく入門編にあたる授業です。
<専門科目………日本史・倫理学など>
各専門領域の概説・概論をふまえ、いっそう内容を深めていくための授業です。
<演習>
いずれも3,4回生の核をなす授業科目です。自ら調べ、考え、報告し、討論することにより、研究への第一歩を踏み出し、卒業論文作成に進んでいきます。
<初等教科教育法[社会]・中等教科教育法[社会]>
ともに学校で社会科授業を展開するための基礎を学ぶものです。

社会科教育履修分野担当
田渕 五十生社会科教育
岩本 廣美社会科教育
本城 正徳日本史
今 正秀日本史
森 伸宏経済学
竹田 有西洋史
伊豆蔵 好美倫理学
佐野 誠法律学
淡野 明彦地理学
根田 克彦地理学
川上 文雄政治学
渡邉 伸一社会学

◇英語教育履修分野

 社会の国際化が急速に進展している中で、学校での教育も国際化を視野に入れた大きな変革を余儀なくされています。異文化問の交流が今後ますます盛んになることが予想される中、国際的視野と資質を備えた児童・生徒の育成が学校教育に課せられた重要課題の一つとなってきています。英語教育履修分野は、学校教育に課せられたこの社会的使命に応えるべく、小学校・中学校・高等学校の各教育現場において、国際語としても幅広く使用されている英語の学習や異文化理解を通して、国際化を機軸とする人間教育を遂行できる教員の育成を主な任務としていますが、その過程で得られる知識や技能は、学校教育以外の分野で活躍する上でも大きな力になるものと確信しています。
 英語教育履修分野を選択した学生諸君は、英語教室に所属して小学校免許及び中学校・高等学校英語免許の取得に必要な単位を修得するかたわら、実践的英語コミュニケーション能力の育成に努め、さらに4回生からは英語科教育・英語学・英米文学の各専門分野に分かれて、それぞれの卒業研究に励むことになります。
 また、英語教室では、本学の長期の海外派遣制度や短期の海外集中授業を通して、多くの学生を海外に派遣してきました。彼らの多くが今、海外で培った経験や知識をバネにして教育現場や公的機関・民間企業の第一線で活躍しています。諸君には是非その伝統も受け継いで頂きたいと思っています。

主な授業科目とその内容

<英会話・英作文・国際コミュニケーション演習・国際理解教育演習>
インターネットの利用や外国人教師による授業を通して、実践的英語コミュニケーション能力の修得に励みます。
<早期英語教育論・中等教科教育法[英語]・国際英語教育論・国際理解教育特講>
小・中・高の教育現場で国際理解に重点を置く英語指導を推進していくために必要とされる知識や技能を学びます。
<英語学概論・英文法演習・英米文学史・英米言語文化論>
英語教師も含めて広く英語の専門家として身につけておくべき英語および英語文化に関わる専門知識の修得に励みます。

英語教育履修分野担当
渡邉 一保英語科教育
吉村 雅仁英語科教育
門田 守英米文学
デイヴィッド・ガレス・ジョーンズ外国語コミュニケーション



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