学校教育教員養成課程 教育・発達基礎コース
教育学専修/ 心理学専修/ 幼年教育専修/ 特別支援教育専修

教育・発達基礎コースの理念と目的

今日における教育と子どもの発達をめぐっては、「いじめ」「不登校」などをはじめとする学校病理や「学級崩壊」などの深刻な問題をかかえています。このような学校教育の直面する課題に対して、子どもの発達や学校教育に視点をあてて、教育科学や人間科学の視点に立って子どもの指導と援助の力量をもつ教員の養成をめざしています。幼児・障害児の教育から小学校・中学校の教育まで多様な学校教育について考えあうという点でも特徴を持っています。

小学校、中学校、幼稚園、養護学校などの多様な学校がありますが、その学校種別を越えて、幼児や障害児、児童・生徒の発達を基軸に据えて、教育の内容と制度を創る担い手として幅広い知識と実践的力量を培うことが求められます。さらに、このコースには教育を教育学的な領域から研究する教育学専修、子どもの心理学的な研究をする心理学専修、幼児の教育を研究する幼年教育専修、障害のある子どもの教育を研究する特別支援教育専修があり、これら4つの専修は、有機的に関連し、今日的な教育課題に対応できる実践的な力を持った教員を専門的な立場で養成することを目的としています。

また、本学全体の教員養成カリキュラムの中で、特に教職科目の改革を視野に入れて、教育方針・カリキュラムの具体化をおこなうとともに、継続して教師教育を充実吟味していく任務をあわせ持っています。

教員免許は教育学専修と心理学専修では小学校と、中学校・幼稚園・養護学校の内から1つ選んで2種類を取得します。幼年教育専修では、小学校と幼稚園を取得します。特別支援教育専修は、養護学校と、小学校または中学校の内の1つを取得します。

 

教育学専修─その目的と内容

学級や学校そして学校教育を中心とした教育全体を総合的、科学的かつ実践的に探求します。そして今日の生きた社会にあって有能で価値的で普遍的な人間形成を目指して教師を育成することを目的としています。

教育学専修担当教員
井深 雄二  教授学校経営改善の調査と近・現代日本教育費政策史の研究
梅村 佳代  教授教育学・教育史・近世民衆子どもの文字学習と文化
岡本 定男  教授教育史・教育科学論・教育生理(体感的教育)・芸術教育
片岡 弘勝  准教授 地域生涯学習・社会教育研究
渋谷 真樹  准教授 多文化社会における子どものアイデンティティ形成
生田 周二  教授人権教育・異文化間教育の社会教育的研究
赤沢 早人  准教授教育方法学、教育課程論

 

心理学専修─その目的と内容

学校教育教員養成全体のなかで子どもに対してカウンセリング・マインドを持った教員養成に寄与するとともに、学校教育の場で現在問題となっている不登校やいじめなどに対応できる知識やスキルなどの心理的な専門的力量を持った教員の養成を目標においた教育を、教育心理学、発達心理学、教育臨床心理学の領域を主な柱として行います。

心理学専修担当教員
藤田 正   教授幼児、児童成人の様々な認知の機能や発達、メタ認知に関する研究
豊田 弘司 教授記憶、発達、人間関係の研究
出口 拓彦 准教授授業における私語の発生過程の調査・シミュレーション  

 

幼年教育専修─その目的と内容

変動する社会の中で就学前期の子どもの発達と教育を総合的、統一的に捉え、発達の基礎形成としての幼児教育について学びます。さらに、小学校教育との接続を意識しつつ、系統学習と体験学習の統一的実現を図る教育内容編成の視点を養います。それらを通して、福祉、乳児保育、家族関係など広い視野と見識の中、子育て支援の視点の育成もめざします。

幼年教育専修担当教員
上野 ひろ美  教授教育実践の構造的把握と教師の指導性に関する理論的・実践的研究
瓜生 淑子   教授乳幼児の言語・社会性・自我の発達及びそれらの相互関係の研究
横山真貴子 准教授乳幼児の発達と絵本(「言葉」を中心として)、保育者の成長

 

特別支援教育専修─その目的と内容

特別支援教育専修では、盲・聾・養護学校や通常学校の障害児学級、さらに通常学級などで学んでいる障害児やさまざまな困難を持つこどもたちの特別支援教育のあり方について広い視野と実践的力量を培います。障害のある子どもたちの発達・障害・生活実態に視点をおきながら、小・中・高等学校の各段階、さらに就学前、就学後、卒業後も含めた医療・福祉・教育の連携を担いうるコーディネートの力量を養成します。また、学校教育全体の中で、特別支援教育の視点をもち、小・中学校での軽度発達障害児の教育や障害理解教育の推進を担う教員を育成します。

学校教育の教員として、1回生からその基礎を学びつつ、教職の基礎を習得していきます。1回生の時期に、各専修の内容の入門的なゼミをもち、各専修にわかれて、それぞれの専門を深めていきます。3回生では、教育実習があり、附属学校など教育の現場で実践的な力量と問題意識を形成します。4回生では、別の校種での実習などをおりこみながら、4年間のまとめとして、卒業論文を執筆して、学校教育と子どもの発達についての専門的な研究を多角的に追求していきます。

特別支援教育専修担当教員
岩坂 英巳  教授児童青年精神医学と軽度発達障害臨床
玉村公二彦 教授障害児教育における教育指導(授業・生活指導)研究
越野 和之  准教授障害児の発達と地域生活を保障する教育制度の検討

 


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