学校教育教員養成課程

理数・生活科学コース

 理数・生活科学コースでは数学・自然科学・技術・人間生活に関する事柄、およびそれらの指導法について学びます。観察・実験および理論的考察を通して、論理的な見方・考え方を育成する中で、教育についての自らの理想を育み、実践的指導力に優れた教員を育てることを目指しています。それには知識を蓄えるだけではなく、それらを分析し自ら考え表現できる能力を身に付け、学んだ知識を教育の現場で創造的に生かせる力を備えた教員を育てる必要があります。また幅広く総合的に学び、生き生きとした授業を児童・生徒とのふれあいの中で行える力も養いたいと考えています。すべての学生が学びの中にその楽しさと深さを味わって、教壇に立ったとき、それを児童や生徒に分かり易く教えられるようにしたいと思っています。このようなことから、本コースに入学を希望する学生には、幅広く興味・関心を持ち続け、客観的に物事を捉えることができる能力を備えていることを望んでいます。また、他人の良さを見つけられるような人間性豊かな学生であることを希望します。このことは教育現場に立ったとき子ども達の素質や個性を引き出すという教師の資質に深く関わるものと考えています。 新入生合宿研修

2年次からは、以下に挙げる、理科教育、数学教育、家庭科教育、技術教育の4つの履修分野の一つに重点を置いて学ぶことになります。またこの4つ以外に、生活科教育履修分野を選択することもできます。


◇理科教育履修分野

授業風景  理科は、私達の身の回りに起こっている自然現象や、身の回りの動物や植物に親しみ、理解するのに必要な学問であることはご存じの通りです。地球の環境が有限であると認識されている現在において、これからの科学をいかに正しく発展させていくかを考えるためにも、若い人たちが理科を真剣に学び、理解することが益々必要になってきています。
 理科教育履修分野では、生命を持つ動物・植物について探求する生物学、限りない宇宙を探測し地球上の自然現象について学ぶ天文・地学、物質の性質・構造と物質問の反応などを研究する化学、物質の構造とともに運動、熱・光・音・電磁気の作用などを研究する物理学、理科の教育全般に目を据えて教え方や理解について原理的に考究する理科教育学があります。
理科教育履修分野担当
松村 佳子 理科教育
森本 弘一 理科教育
久保 武治 物理学
松山 豊樹 物理学
中村 元彦 物理学
山崎 祥子 化学
中田 聡 化学
松井 淳 生物学
石田 正樹 生物学
菊地 淳一 生物学
前田 喜四雄 動物学
鳥居 春己 自然環境教育、野生動物管理学
平賀 章三 地学
和田 穣隆 地学
藤井 智康 地学


◇数学教育履修分野

 数学は一般には難解な教科と思われがちですが、自然現象や社会現象の法則を研究するためにはとても大切で、理解できればこんなに楽しく明快なものはありません。また、コンピュータのシステムが整備・充実されていますので、これらを活用することで、数式処理や図形表現などの多面的な数理能力の育成も心がけています。
 数学教育履修分野では、算数・数学の内容を教えるのに必要な数学教育学、文字や記号を使って数の関係や性質を学ぶ代数学、物の形や・大きさ・位置など空問に関する性質を研究する幾何学、高校で学んだ微分や積分をさらに進める解析学、数学の世界にコンピュータを活用するプログラミング、確率や統計をさらに深める分野などがあります。
授業風景
数学教育履修分野担当
重松 敬一 数学教育
日野 圭子 数学教育
南 春男 幾何学
神保 敏弥 解析学
浅井 照明 代数学
川崎 謙一郎 代数学
河上 哲 解析学・応用数学


◇家庭科教育履修分野

授業風景  健康で豊かな人間生活を営むためには、家庭生活の適切な運営が基盤となります。
 家庭科教育履修分野では、この家庭生活を中心とする人間生活を対象とし、その価値を見直し、さらにより良いものにしていこうとする意欲と実践力の育成を目標としています。具体的には、衣服の働きや管理の方法を学ぶ被服学、健康維持、増進のための栄養学、食品学、調理学、人にやさしい住まいを考える住居学、望ましい家庭のあり方や家族関係を考える家庭経営学、家族関係学、次世代を健全に育成する保育学、家族の健康管理のための家庭看護学などと、それらの効果的な教育法を考える家庭科教育法などについて講義と実験・実習を通して学びます。
家庭科教育履修分野担当
鈴木 洋子 家庭科教育
河崎 智恵 家庭科教育
大家 千恵子 食物学
杉山 薫 食物学
内田 恵美子 被服学
杉井 潤子 家族関係学
米山 京子 保育学


◇技術教育履修分野

 人間は今日に至るまで、生活をより豊かに明るくするために創意工夫をこらし身の回りに様々な機械と道具を作りだしてきました。
 技術教育履修分野は日常生活に必要な基礎的な知識と技術を習得し、ものを作ることやエネルギーの有効利用及びコンピュータ活用等に関する知識と技術の習得を目指します。自然科学の法則や経験的事実をもとにして、もの作りの基本的姿勢と製作技術を学び、ものを考案、設計・製作したり、植物を育成したりする能力とともに、コンピュータを用いた計測・制御や製図、情報通信の実習などを行い、情報を処理、活用する能力の育成を心がけます。主な学習分野を具体的に表せば木材や金属の工作理論や加工技術、また身近な機械の仕組みや電気回路、コンピュータの活用などに関する講義と実習・演習です。
授業風景
技術教育履修分野担当
吉田 誠 技術科教育
森元 時夫 機械学
谷口 義昭 木材加工
堀端 眞彦 金属加工
寺西 大 電気

 


このようにして、それぞれの履修分野で基礎的な教育を受けた後、4年次から独自のテーマを設けて卒業研究に取り組みます。今までに身につけた勉学成果を駆使し、卒業論文の作成に努めます。
 特定の興味を深く追求したければ、このように各履修分野で一つの専門について学びますが、理系全般を対象にして、広く学ぶ方法を採ることも可能です。教育者として大きく成長するためには、このコース全般での勉学の方法・考え方を理解できることが必要ではないかと考えています。
 教員になって、自然・数理・生活の中で観察・発見ひいては感動した事柄や現象を論理的・数理的に考える児童・生徒を育てることができる“すばらしい先生になりませんか。



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