学校教育教員養成課程 理数・生活科学コース
理科教育専修/ 数学教育専修/ 家庭科教育専修修/ 技術教育専修

理数・生活科学コースの理念と目的

理数・生活科学コースでは数学・自然科学・技術・人間生活に関する事柄、およびそれらの指導法について学びます。 観察・実験および理論的考察を通して、論理的な見方・考え方を育成する中で、教育についての自らの理想を育み、実践的指導力に優れた教員を育てることを目指しています。それには知識を蓄えるだけではなく、それらを分析し自ら考え表現できる能力を身に付け、学んだ知識を教育の現場で創造的に生かせる力を備えた教員を育てる必要があります。また幅広く総合的に学び、生き生きとした授業を児童・生徒とのふれあいの中で行える力も養いたいと考えています。すべての学生が学びの中にその楽しさと深さを味わって、教壇に立ったとき、それを児童や生徒に分かり易く教えられるようにしたいと思っています。

このようなことから、本コースに入学を希望する学生には、幅広く興味・関心を持ち続け、客観的に物事を捉えることができる能力を備えていることを望んでいます。また、他人の良さを見つけられるような人間性豊かな学生であることを希望します。このことは教育現場に立ったとき子ども達の素質や個性を引き出すという教師の資質に深く関わるものと考えています。

本コースでは、以下に挙げる、理科教育、数学教育、家庭科教育、技術教育の4つの専修の1つに重点を置いて学ぶことになります。またこの4つ以外に、生活科教育専修を選択することもできます。

 

理科教育専修─その目的と内容

理科は私達の身の回りに生じる様々な自然現象や、動物・植物に親しみ、理解するための自然科学であることはご存じの通りです。身近な環境を地球規模で考える必要がある現在において、私たちの生活を支えている科学を、これからも豊かに発展させていくためにも、若い人たちが理科を真剣に学び、理解することが益々必要になってきています。

理科教育専修には、動物・植物などの生命を探求する生物学、限りない宇宙を探測し地球上の自然現象について学ぶ天文・地学、物質の性質構造と物質間の反応などを研究する化学、物質の構造とともに運動、熱光音電磁気の作用などを研究する物理学、理科の教育全般に目を据えて、教え方や理解について原理的に考究する理科教育学があります。

理科教育専修担当
松山 豊樹 教授 (物理)素粒子論
中村 元彦 准教授 (物理)光物性物理
山崎 祥子 教授 (化学)有機化学
石田 正樹 准教授 (生物)細胞生物学
菊地 淳一 准教授 (生物)菌類生態学
平賀 章三 教授 (地学)地質学
松村 佳子 教授 (理科教育)理科教育学
森本 弘一 教授 (理科教育)理科教育学
常田 琢  准教授 固体物理学、ナノ科学・工学
松井 淳  教授 木本植物の繁殖生態・湿原の保全生態学
藤井 智康 准教授 陸水物理学・水圏環境科学 湖沼における湖水の流動特性の研究
和田 穣隆 准教授 野外地質調査と室内試料解析による火山活動の研究
前田 喜四雄  教授 自然における動植物及び自然環境教育に関する研究
鳥居 春己  准教授 野生動物と人間との関わりの研究

 

数学教育専修─その目的と内容

数学はー般には難解な教科と思われがちですが、自然現象や社会現象の法則を研究するためにはとても大切で、理解できればこんなに楽しく明快なものはありません。また、本学はコンピュータのシステムがハード・ソフトの両方の面で整備・充実されています。本専修では、これらを活用することで、数式処理や図形表現などの多面的な数理能力の育成も心がけています。

数学教育専修では、算数・数学の内容を教え方法を学ぶ数学教育学、文字や記号を使って数の関係や性質を学ぶ代数学、物の形や・大きさ・位置など空間に関する性質を研究する幾何学、高校で学んだ微分や積分をさらに発展させた解析学、数学の世界にコンピュータを活用するプログラミング、確率や統計をさらに深める統計学・確率論があり、それぞれを有機的に学ぶことによってすぐれた算数・数学教員の育成を目指しています。

数学教育専修担当
重松 敬一 教授 数学科教育
川崎謙一郎 准教授 (代数)可換代数学
河上 哲  教授 (解析)関数解析学
市原 一裕  准教授 幾何学
浅井 照明 教授 応用代数学
伊藤 直治 教授 システム理論

 

家庭科教育専修修─その目的と内容

私たちを取り巻く環境は著しく変化しており、その変化に対応し、自然や社会と共生した生活の実現と生活の質を高める取り組みが、今、家庭科に求められています。

家庭科教育専修では、人間生活を対象とし、少子高齢化や環境保全を視野に入れて、自らが考え、実践できる力の育成を目標としています。具体的には、衣服の機能や管理などを総合的に扱う被服学、健康維持・増進のための栄養学や食品学、調理学、人にやさしい住まいを考える住居学、望ましい家庭のあり方や家族関係を考える家庭経営学や家族関係学、次世代を健全に育成する保育学、家族の健康管理のための家庭看護学、それらの効果的な教育法を考える家庭科教育法などを講義や実験・演習を通して学びます。

家庭科教育専修担当
鈴木 洋子 教授 (家庭科教育)家庭科教育
河崎 智恵  准教授 (家庭科教育)家庭科教育
大家千恵子 教授 (食物)食物学
杉山 薫   准教授 (食物)食物学
内田惠美子 教授 (被服)被服学
米山 京子  教授 (保育)保育学

 

技術教育専修─その目的と内容

人間は今日に至るまで、生活をより豊かに明るくするために創意工夫をこらし身の回りに様々な機械と道具を作りだしてきました。

技術教育専修は日常生活に必要な基礎的な知識と技術を習得し、ものを作ることやエネルギーの有効利用及びコンピュータ活用等に関する知識と技術の習得を目指します。自然科学の法則や経験的事実をもとにして、もの作りの基本的姿勢と製作技術を学び、ものを考案、設計・製作したり、植物を育成したりする能力とともに、コンピュータを用いた計測・制御や製図、情報通信の実習などを行い、情報を処理、活用する能力の育成を心がけます。主な学習分野を具体的に表せば木材や金属の工作理論や加工技術、また、身近な機械の仕組みや電気回路、コンピュータの活用などの講義と実習・演習、そしてそれらの効果的な活用法としての技術科教育法を学習します。

このようにして、それぞれの専修で基礎的な教育を受けた後、4年次から独自のテーマを設けて卒業研究に取り組みます。今までに身につけた勉学成果を駆使し、卒業論文の作成に努めます。

特定の興味を深く追求したければ、このように各専修で1つの専門について学びますが、理系全般を対象にして、広く学ぶ方法を採ることも可能です。教育者として大きく成長するためには、このコース全般での勉学の方法・考え方を理解できることが必要ではないかと考えています。自然・数理・生活の中で観察・発見ひいては感動した事柄や現象を論理的・数 理的に考える児童・生徒を育てることができる“すばらしい”先生になりませんか。

技術教育専修担当
堀端 眞彦 教授 (金属加工)塑性加工
谷口 義昭 教授 (木材加工)木材加工
吉田 誠 准教授 (技術教育)技術科教育

 


奈良教育大学ホームへ