学校教育教員養成課程 身体・表現コース
音楽教育専修/ 美術教育専修/ 保健体育専修

身体・表現コースの理念と目的

学校現場では、自ら学び考える力としての「生きる力」の育成、総合的な学習の時間、「ゆとり」の中での特色ある教育の実践など、様々な課題を解決できる教員が求められています。

このような学校現場でのニーズを踏まえて、本コースでは、音楽教育、美術教育、保健体育の実技系・実践系教育プログラムの充実と融合を図り、身体(心とからだ)の表現力を高める教育とその指導法の習得を目指します。そして、それらの能力を活かし、子ども達が生き生きとした心とからだを育むことのできる学校生活を創造する教員の養成を本コースの目標とします。

音楽教育、美術教育および保健体育に分かれ、より専門的な教育プログラムが用意されています。免許は、小学校と中学校(音楽、美術、保健体育から一つ)を取得します。生活科も本コースから履修することができます。また、保健体育分野は、養護教諭免許取得にも深く係わっています。

入学希望者の皆さんには、上記の3つの教育分野における活動が好きであることが求められます。加えて、自分の専修だけでなく、広く学校教育や社会についても関心を持ち、教職への強い意欲を持った方を大いに歓迎いたします。

 

音楽教育専修─その目的と内容

この専修では、音楽を総合的にとらえ、幅広い実力を養成するための基礎となる声楽・器楽などの個人指導、指揮法などの演習や実習、ならびに音楽理論・音楽史などの講義に加え、教職に関する教科教育法、伴奏法、作曲・編曲法基礎、日本音楽演習などの授業が展開されています。

また、本専修では合唱や合奏などのアンサンブルの授業を通して、人と人とが心を合わせて創造することの難しさや喜びを経験できることでしょう。学内のホールで行う定期演奏会では、独奏や独唱、またアンサンブルなど、日ごろの練習の成果を発表することができます。

主な授業科目とその内容

声楽
歌曲からオペラまでさまざま歌うことを通して、より深く豊かな 表現と感動を得ることを目指しています。
ピアノ
日ごろの授業から合唱の伴奏まで学校教育で必要なピアノの技術を身につけ、さらに高度な芸術音楽の演奏を通してより高い芸術的感性を磨きます。
作曲・編曲法基礎、実習
授業や教科外活動で必要な教材の改編や創作、 それに必要な各種楽器の用い方を学びます。
教科教育法(音楽)
授業に必要な実践技術を支える理論をあらゆる面から学び、指導実践の基礎を作ります。

音楽教育専修担当教員
安田 寛  教授 教科教育法、日本音楽教育史、環太平洋音楽教育史
福田 清美 教授 声楽、フランス声楽曲の演奏法
宮下 俊也 准教授 感性的側面に対する評価を中心とした音楽科授業研究
福井 一  教授 楽認知と人間の音楽行動
前田 則子 准教授 ピアノ演奏法、フランス近代音楽の研究
北條 美香代 准教授 作曲

 

美術教育専修─その目的と内容

美術教育専修では、学校教育における美術教育を指導する力量を高める科目(絵画、彫刻、デザイン、工芸、美術理論・美術史、美術教育)を中心に学んでいます。自らの表現力や鑑賞力を伸ばしながら、子ども達の豊かな<表現と鑑賞>を導く力量を培います。

正規の授業のほか、少人数教育の良さを生かし、担当教員と話し合いながら、授業以外の作品発表の場をもつなど自主的な活動も盛んです。

主な授業科目とその内容

幼児の造形、図画工作
幼児期から小学校の子ども達のことを視野に 入れ、主に制作を通して学んでいきます。紙、ダンボール、木材、粘土な どの素材を扱います。
デッサン、彩画、絵画(映像メディア表現を含む)
絵画の基礎的な理 論をふまえ、クロッキーやデッサン、水彩画、油彩画、版画などの造形表現を探求します。
彫刻、実材
石膏マスクの摸刻にはじまり、頭像・人物などの摸刻を経て、人物モデルの制作に至る内容です。
デザイン(映像メディア表現を含む)、総合デザイン
デザインの発生に関すること、機能・形態・材料とその性質、色彩、表現に際しての効果 および構造など、デザインの基礎的要素の制作を通して理解していきます。
工芸
陶芸に関する基本的な製作技法(紐づくり、タタラ、ロクロ、絵 付け、釉薬など)を習得し、造形表現の可能性を探求します。
美術概論、日本美術史、西洋美術史
美術史や美学の歴史を紐とき、美術館、博物館、寺院などに出向き、実際に作品、仏像に接して学んでいきます。
幼児の造形表現、初等教科・中等教科教育法(図工、美術)
子ども達の美術教育に関する教材開発や授業方法の基本的な考え方を学び、模擬 授業・保育などを行って実践力を育成します。

美術教育専修担当教員
宇田 秀士 教授 美術科教育学:Contemporary Artsの題材開発と授業研究
西野 愼二 教授 彫塑/木彫、ブロンズ、石彫等、彫刻制作を中心とした素材の研究と教材研究
比留間良介 教授 絵画/日本的現代絵画の創造と教材化研究
大山 明彦 准教授文化財造形
山岸 公基 准教授仏教美術史

 

保健体育専修─その目的と内容

それぞれの専門の授業は、少人数制で展開されますので、充実した教育を受けることができます。卒業論文の作成においても、1教員が2〜3名の学生を担当するので、中身の濃い研究指導を受けることができます。また本専修の教員は、多様な専門分野から構成されていますので、必ず興味ある教育・研究に接することができるでしょう。

学内での授業はもとより、学外で行われるスキー、キャンプやマリン実習、さらにクラブ活動を通して、教員と学生は極めて親密度が高く、家庭的な雰囲気の中で、大学生活をエンジョイすることができます。

我々は、スポーツ・運動好きで元気あふれ、そして学校の先生になりたい若者を強く求めています。また、(財)日本体育協会のスポーツ指導者資格における共通科目T+U+Vの免除について準備をしています。

主な授業科目とその内容

初等教科教育法
小学校で体育授業を実践するために必要な知識と実践力、そして、運動の楽しさ体験を重視した体育授業づくりを勉強します。
中等教科教育法
中学校で保健体育教師として体育授業を実践するために必要な能力(知識・実践力)と、その能力を身につけるための方法について勉強します。
学校保健
児童生徒の健康生活維持増進のためだけでなく、生涯にわたって健康を維持するために、学校保健のあり方を追求します。
体育原理
スポーツの光と影(たとえばドーピング問題)を哲学的に考察するとともに、体育のあるべき姿を探求します。
その他の主な授業
運動方法学、生理学、スポーツ社会学、レクリエー ション理論、運動学
実技系種目
陸上競技、水泳、バスケット、バレー、サッカー、ダンス、 柔道、スキー・キャンプ・マリン実習

保健体育専修担当教員
岡澤 祥訓 教授 保健体育科教育/運動有能感を高める運動指導に関する研究
木村真知子 教授 体育原理/体育・スポーツの文化論的・哲学的研究
中谷 昭   教授 運動と糖質・脂質代謝の研究
高橋 豪仁  教授 スポーツの応援文化の研究
中井 隆司  准教授 体育科教育学/体育授業実践者としての教師の専門的力量形成に関する研究
笠次 良爾  准教授 学校保健 
立 正伸  准教授 運動学 

 


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