総合教育課程

生涯学習コース

生涯学習コースの概念図  少子化、高齢化、文化の多様化、国際化といった社会の変化に伴い、ますます生涯学習へのニーズが高まっています。それにも拘わらず、生涯学習の本質的理解や概念は極めてあいまいな捉え方をされたままだと言えるでしょう。生涯学習コースでは、生涯学習に関わる教育的・臨床的実践力を身につけた上で、主として、健康と生涯スポーツ、国際理解においてその教育的能力を発揮できる人間を育成します。
 また、生涯学習コースは、実践的フィールドとして、学校教育の枠を超えて、奈良県の地域コミュニティを広く活動範囲に据えています。主として、ライフステージを見据えた社会教育・余暇関連活動の促進、自然環境を利用したアウトドア・スポーツの指導者育成、ボランティア等の実体験に支えられた国際理解能力をもつ指導者の育成を目指しています。

コースの成り立ちと履修の方針

 本コースは、生涯教育臨床専修、健康・生涯スポーツ専修、国際理解教育専修の3専修から成り、生涯学習の理論と実践に関する科学的研究を踏まえて、各領域において活躍できる人材を養成するよう履修方針を立てています。
 生涯教育臨床専修では、生涯教育計画系(教育学系)と生涯発達臨床系(心理学系)という2つの系をうまく統合し、生涯学習指導者として学習が効率よく進むように履修の仕方を工夫しています。健康・生涯スポーツ専修では、健やかでヒューマニティ豊かな地域に開かれた生涯スポーツの実現のために、高齢者や障害をもつ人達にも対応できるスポーツ・レクリエーションの指導方法を習得させることを履修方針としています。
 国際理解教育専修では、国際コミュニケーション、国際文化、国際理解教育の3領域を立てています。各領域で、英語コミュニケーション能力の伸長、インターネットを用いた文化情報の把握や発信、外国人と共存共生する能力の獲得を特徴としたカリキュラムを展開する一方、具体的な異文化体験を重視した実践形式の授業も繰り広げます。

専修の特色と学生像

◇生涯教育臨床専修

 生涯教育臨床では、「真の生涯学習の理解」及び「こころの教育の理解」という2つの大きな目標を土台にしてカリキュラムを構成しています。この2つを達成し、生涯学習とこころの教育に対応できる人材の育成を目指しています。
 しかし、これらの目標達成には、かなりの専門的な授業科目の蓄積が必要となります。その為、前者と後者のねらいに対応するカリキュラム選択の系列を設けています。そして、それぞれの目的に関わるスペシャリストの養成を当面の教育課題としています。
指導教官と

◇健康生涯スポーツ専修

スキー実習  生涯スポーツの指導者・支援者の養成を行います。
 健康・生涯スポーツ専修のカリキュラムの特徴は、以下の3つです。
 (1)生涯にわたる健康を促進するための実践的な知識や技能を身につける授業の展開
 (2)アウトドア・スポーツの重視
 (3)社会に直結した実際的な知識と技術をもつ指導者の養成
これらを通して、誰でもどこでもスポーツが楽しめる生涯スポーツ社会の実現に寄与します。

◇国際理解教育専修

 地域と海外での教育実践フィールドで培った国際理解能力を活かし、教育機関を含む国内の諸機関において外国人と日本人のより良い関係をコーディネートし、かつ教育できる人間を育成します。
 国際コミュニケーション、国際文化、国際理解教育の3つの柱からなる指導と海外での異文化問コミュニケーション演習に加え、地域の外国人児童・生徒の学習補助、並びに海外でのボランティア活動に参加するよう積極的に支援します。地域と国際社会の両面の特徴をもつ教育を行います。
授業の様子

生涯教育臨床専修担当教員
梅村 佳代 日本近世民衆教育史研究
井深 雄二 教育経営学
片岡 弘勝 地域生涯学習論研究、社会教育の原理的歴史的研究
豊田 弘司 教育心理学,記憶・学習に関する実験的研究,人間関係に関する調査
生田 周二 人権教育・異文化間教育の社会教育的研究
岡本 定男 芸術教育運動の歴史的研究
安藤  輝次 教師用及び子ども用ポートフォリオ
玉瀬 耕治 マイクロカウンセリング、発達カウンセリング
藤田 正 記憶の発達、干渉のメカニズムの研究
小野 昌彦 行動・情緒障害への行動療法的アプローチ
小柳 和喜雄 教育実践研究の方法および評価に関する研究
渋谷 真樹 多文化社会に生きる子どもたちのアイデンティティ形成
杉若 弘子 行動論的セルフ・コントロール、行動療法

健康・生涯スポーツ専修担当教員
中谷 昭 運動と食事が,糖代謝や脂質代謝に及ぼす影響に関する生理学的・生化学的研究
高橋 豪仁 現代社会におけるスポーツの文化・社会学的研究
岡村 泰斗 野外プログラム・指導法の開発と評価
北村 陽英 思春期青年期児童生徒の学校精神保健に関する研究
木村 真知子 スポ−ツの文化論的研究
若吉 浩二 スポ−ツ運動のメカニズムに関する研究

国際理解教育専修担当教員
門田 守 19世紀イギリス詩と近代イギリス小説の研究・教育と関わる英米社会事情の分析
竹原 威滋 グリム童話と民間伝承の系譜を含む日欧口承文芸の比較研究,奈良県の民話調査
川那部 和恵 フランス文学,日仏中世比較演劇,比較文化論


主な授業料目名とその内容
コース共通科目 専修専門科目
生涯学習概論 I 生涯学習の基礎的概念・知識・課題について講述する。 生涯教育計画特講義 I 生涯教育の設計・運営に関わる組織や方法について具体的に探求する。
生涯発達心理学 生涯発達に関わる心理学の具体的調査・実験を紹介する。 人間環境心理学 環境が人間の心理に与える影響についての研究の具体的紹介と解説を行う。
生涯スポーツ論 地域のスポーツやレクリエーションのあり方と現代的課題について学ぶ スポーツ指導方法論 楽しく上達する方法を探求する。
国際理解教育原論 国際理解教育の構成要素をもとに,事例研究により国際理解能力を培う。 生理学 身体の基礎的機能と運動によるへんかを考える。
スポーツ社会学 社会学的視点からのスポーツ理解
レクリエーション理論・実技 実践的指導力の習得
英米社会文化論 アメリカ社会の文化的現象の考察
東西文化交流論 民間説話を通して文化交流を考察


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