手作り絵本の楽しさ(梶田 幸恵 著) -奈良教育大学 出版会-
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20とは百円ショップで売っているような薄手の八つ切り画用紙を半分に切って、幼児になったつもりで画面に無作為にぐちゃぐちゃな線をなぐり描きします。線を描くのは色鉛筆でもカラーサインペンでもいいですが、クレパスは色移りするので使わないでください。もし、使うのであれば、画材屋でフィクサチーフスプレーを買ってきて画面に吹きつけると色移りを防げます。 つぎに学生たちは童心にかえり、自由に四枚ほど描きなぐったあとで、描いた順とはちがう順に並べ替え、ぐちゃぐちゃ線からイメージをふくらませて短い文を書き加えます。時には色紙や新聞紙のカラーページをちぎって画面に貼りつけます。これを内折にして糊づけし、表紙をつけると簡単な絵本になります(作り方については[五・ソフトカバーの絵本を作る]で詳しく説明します)。 まずはじめは、肩の力を抜いて幼児の気持ちで「ぐちゃぐちゃ線の絵本」を作ってみると、つぎからは「こんな絵本を作ってみたい」というイメージを育むことができます。裏側が印刷していないカレンダーやポスター、広告紙などを再利用して白い画面に線を描くことからはじめてください。絵を描くなら線を生かす(○△□) つぎに主人公を決めます。絵本の主人公は写真のように写実的に描く必要はありません。絵本に登場するものは生き生きと動いている感じであらわすことが

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