手作り絵本の楽しさ(梶田 幸恵 著) -奈良教育大学 出版会-
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23十二色相環試し塗りの方眼紙基本的なかたちで、さまざまなものを描くことができると気づかせることができます。色を塗るなら赤・黄・青を混ぜる 線を生かしてかたちを描くと色塗りは簡単です。赤・黄・青の三色の絵具だけで百色どころか何千、何万色も無限に作り出すことができます。ただし、白と黒は作ることができません。黄に少しだけ赤を混ぜると人物の肌色になります。黄に青を混ぜると若葉から深緑の葉の色まで作ることができます。白は何も塗らずに紙の地色を生かします。白の絵具を混ぜると線が鈍くなります。黒っぽい色がほしい時は青を多くして赤と黄を加えると、黒に似た暗い灰色になります。どうしても黒が塗りたい時は墨を使います。 このように赤・黄・青の絵具だけで混色すれば、ページをめくっていっても色の調和がとれます。また、後片づけも簡単です。筆をよく洗って乾燥させるだけでパレットは洗わなくてすみます。パレットに残った絵具は乾燥しますが、水でぬらした筆で溶け出し、また使うことができるので無駄になりません。 上の図は、学生が赤・黄・青の三つの水彩絵具を混ぜて彩色した十二色相環と試し塗りをした方眼です(口絵三ページ参照)。この三原色の混色方法は、絵具を使いはじめる子どもに教えてほしいことです。絵本作りだけでなく、絵を描く

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