手作り絵本の楽しさ(梶田 幸恵 著) -奈良教育大学 出版会-
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25『わたしの家族』 父・母・犬・わたし・弟面の学生と子どもが「好きな食べものは?」「好きな動物は?」と話し合うと穏やかな雰囲気になります(口絵「わたしのすきなもの」五ページ参照)。 絵本の種は身近なところにいくらでもあります。新聞カラーページを好きなくだもののかたちに手でちぎり、画用紙に糊づけすると、絵本作りの第一歩を踏み出すことになります。ハサミできちんとかたちを切り抜くよりも、少々歪んでいてもいいので手でちぎるとあたたかい感じがします。幼い子どもからお年寄りの方まで「わたしのすきなもの」というテーマは絵本作りに取り組むきっかけになります。 少なくとも四種類のものを貼り絵にします。この時注意するのは、一枚の画用紙にたくさんのものをいっぺんに貼りません。一枚だけの絵を見るのではなく、絵本はページをめくってつぎに何が描かれているのか想像する楽しさがあるからです。わたしの家族 人間の絵を描くのはたいへんむずかしい。いつも見ているのでつい、似ている・似ていない、手足のバランスが悪いなど、欠点ばかり気になってうまく描くことができにくいからです。そこで、背が高い・低い、太っている・痩せているなどを比べて楕円形のちぎり絵で家族をあらわすと楽しくなります。家族ひとりひとりの

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