手作り絵本の楽しさ(梶田 幸恵 著) -奈良教育大学 出版会-
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55台紙に糊づけする写真を切り抜くことは拙著『粘土細工から彫塑教育へ』(明治図書出版)を参照してください。「粘土のたいそう」の方法一.まず、一キロの粘土で二人の人物を作ります。ここではお父さんと子どもを「ひねり出し」の技法で作ります。ひねり出しの技法というのは、粘土を人参のようなかたちにして五十四ページ上の図のように手足をひとつづきに作ります。そうすれば動きを自由にあらわすことができます。しかも、手足をばらばらに作ってくっつけるやり方と違って、壊れにくいです。  はじめに背の高いお父さんと背の低い子どもを作り、ふたりの組み合わせを変化させてデジカメで撮影します。多い目に撮影して絵本に使いたい写真を選びます。選びながらお話を考えます。二.選んだ写真をプリントしますが、拡大したり縮小したりしてお話にあった効果的な場面を決め、プリントアウトします。カラープリントよりも白黒で印刷して、台紙をカラーの紙にした方がよく見えます。三.粘土の人物だけ切りとって台紙の上で斜めにしたり、時には逆さにするなどして画面を構成します。決まれば糊づけし、空いたところにお話を書きます。四.写真を貼った方を内側にして二つ折りにし、裏側を糊づけします。あとはハードカバーの製本の仕方の手順を守って丁寧に作りましょう。

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