手作り絵本の楽しさ(梶田 幸恵 著) -奈良教育大学 出版会-
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72おわりに・「手作り絵本の楽しさ」を体験しましょう 「幼児の造形表現」の授業は、幼稚園教諭や保育士の免許をとりたい学生が受講します。授業のはじめに、半年間で十五回の授業内容を話します。十五回絵本作りの授業をするのでなく、子どもの造形活動の発達に関する講義や教育実習で試みる教材研究と保育案の立て方など、盛りだくさんの学習内容があります。 絵本に関する授業は「ソフトカバーの絵本」と「飛び出す絵本」だけです。一番ハードな授業になることを話したあと、学生たちと一緒に「えほんのひろば」へいきます。毎年、三十名ほどの受講生がいます。 自分たちが授業で絵本を作ることに強い関心をもっている一方、絵を描いたり、工作をしたりすることが苦手な自分が絵本を作ることができるのか不安に思う学生が多くいます。 二千冊あまりの市販の絵本と先輩たちが残してくれた手作り絵本が二百冊余り、表紙が見えるように置いてあるのを見て、学生たちは歓声をあげ、それぞれが気に入った絵本を手にとり懐かしそうに見はじめます。小学校の低学年までは絵本を見ることがあったとはいえ、十数年ぶりに絵本を手にとったという学生が多いのです。そして、市販の絵本と手作り絵本から、それぞれこころ惹かれる絵本を選んで感想を書きました。

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