手作り絵本の楽しさ(梶田 幸恵 著) -奈良教育大学 出版会-
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75○自分が体験して得た事実(What・何、Why・なぜ、When・いつ、How・どのように、Where・どこ、Who・誰)の記憶○感情や感想や体験の記憶を通じて得た考え  これらを物語(筋書き=ストーリー)に組み立てて題材にし(構成し)、自分の得意な表現方法で表現できた時、「深い作品」になります。 だから、できるだけ身近なものに題材を求めるように心がけてください。逆に、自分の想いとかけ離れた架空の(バーチャルな)題材は、どんなに上手で格好がよくても(技術的に優れていても)、キラッと輝く、感動を呼ぶ作品にはなりにくいです。◆言葉を大切に 絵も「物語る」力をもっていますが、「想い」を伝える、つまり「物語る」のは、やはり文章です。 無味乾燥な文章には魅力がありませんが、絵を説明するだけの文章や、思い入れたっぷりの文章は、ないほうがましだ、などと言われます。絵だけの絵本も、なかなか素敵なものが多いです。 「くどいお喋りは敵」なのです。言葉だけで「想い」を伝える詩人は、言葉を

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