日本の唱歌と太平洋の賛美歌(安田 寛 著) -奈良教育大学 出版会-
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37 それだけミッションが熱心に活動したことの証拠でしょう。特に日本の近代教育に対するミッションの影響は無視出来ないものでしょう。でも、たいてい無視されることが少なくないのですが。§10 伝道にとっての音楽ーお話をうかがってきて私の中で混乱してきたのですが、宣教師にとって本来の目的はキリスト教を伝えることですね。 もっと言えば、キリスト教の信者さんをたくさん作り出して彼らが現地で教会を組織すること、宣教が成功したか失敗したか評価する場合の重要な基準がそれです。ー今日本の大学で盛んな評価を、宣教師たちも受けていたのですか。 もちろんそうです。先ほど言いましたように、信者一人ひとりの貴重な寄付によって活動しているわけですから、当然評価されます。彼らはですからじつにまめに、本部や支部に宛てて手紙を書きますし、それもたいていはかなり長いものです。その他に義務として、年間報告書も提出しますし、年大会で報告したりもします。ちょっと話題がそれましたが。ー話題を戻しますが、そういった宣教師の本来の目的と讃美歌との関係が “There is a happy land”(後日本で『小学唱歌集初編』〈1882年〉第15「春のやよひ」になった讃美歌)に言及The song I send "Uaja Kajalei," is translation of the child's song, "There is a happy land." "Ruk Jirani" is the bible song; the original is found in the Anniversary Songs of the N. York Sunday School by L. Wilder.出典:American Board of Commissioners for Foreign Missions. Paper (Primary Source Media / Cengage Learning)ミクロネシアの最初の宣教師スタージスの書簡(1856年2月13日)

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