日本の唱歌と太平洋の賛美歌(安田 寛 著) -奈良教育大学 出版会-
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75文化がどんなふうに変わっていったのか、どういう原因で変わっていくのかを考える時に非常に面白いケースを提供している、私はそのように思っています。§20 今後の研究についてー最後に先生の今後のご研究の予定と、どのように発展していくのか、そのあたりをお話ししていただけますか。 そうですね、実は今、後悔がないこともないのです。というのは、あまりにも大きなテーマを抱え込んでしまって、地域も広いですし、まずそれが一番ですね。日本、韓国、中国、台湾、ハワイ、ポリネシアでは他に、タヒチ、トンガ、サモア、それからクック諸島も入ります。ミクロネシアでは、パラオとか、ヤップ、チューク、トラック、いくつかありますが、パプア=ニューギニアだとか、その近くのメラネシア、メラネシアは比較的キリスト教の影響が遅れたか、少し薄いところなんですが、そこも見てみたいですね。それからニュージーランド、もともとマオリ族が住んでいたところですね。そういった人たちが讃美歌の影響を受けて彼らの音楽がどのようになったかなど、そういうところを見てみたいです。 こうした全体を見ることによって、讃美歌の影響によって、アジア太平洋の音楽が十八世紀後半からどのように変化してしまったのか、そしてそれが現在どのよう

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