物質をつくってはかる(梶原 篤 著) -奈良教育大学 出版会-
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物質をつくってはかる 奈良教育大学 理科教育講座(化学教室) 梶原 篤 1.はじめに 化学は反応による変化を研究する学問で、プラスチック材料や医薬品など世の中に役に立つ新しい材料を開発する仕事と、いろいろな材料や物質が反応によってできていく過程をさまざまな方法で調べる仕事から成り立っていて、そのそれぞれに、基礎から応用までいろいろな段階があります。 図1は高校の化学の教科書にも書いてあるような反応式で、メタクリル酸エステルのラジカル重合反応によりポリ(メタクリル酸エステル)が生成する反応です。メタクリル酸エステルは石油を原料として作られていて、重合反応によってできるポリ(メタクリル酸エステル)は透明で丈夫な性質を利用して、コンタクトレンズや水族館の水槽、定規など身の回りで広く利用されています。 OR= CCH2CH3C=OCHHCCH3ORC=Onメタクリル酸エステルポリ(メタクリル酸エステル)図1 メタクリル酸エステルがラジカル重合してポリ(メタクリル酸エステル)になる反応

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