物質をつくってはかる(梶原 篤 著) -奈良教育大学 出版会-
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- 7 - -2000020004000600080001 1041.2 104100015002000250030003500-10000100020003000400050006000315320325330 時々刻々と反応が進行していく様子がこの図からわかります。このスペクトルを解析すると、ここで観測している物質が初めにレーザーパルスを受けて生成したリン中心ラジカルが最初のtBMAに付加してできた連鎖開始ラジカルであることがわかり、この反応の速度定数も分かります。また、この測定を温度を変えて行うことにより、反応の活性化エネルギーも見積ることができます。 このようにして実験を行うことで、非常に速く起こる反応を観測することができ、見てきたように反応の様子を説明することができるようになります。 4.いろいろな物質の測定 ここでは、以前に大学4年生の卒業研究として行った測定の結果をいくつか示します。卒業研究は大学4年間の学習の集大成として行うもので、ここまで紹介してきた、化学反応の途中の様子を調べるために使ったESR装置を使って、自分が興味を持ったものを測定してもかまいません。干しエビを測定するとエ図 5 図5の時間分解ESRスペクトルを真上から見た図と 時間一定の線で輪切りにした時に得られるスペクトル(左)と スペクトル線の時間変化(上(リン中心ラジカル(青)と連鎖開始ラジカル(赤))

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