身体教育という考え方 -スポーツ文化からのアプローチ-(井上 邦子 著) -奈良教育大学 出版会-
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- 9 - も、人と共感しあって、互いに受け入れるための前提なのです。これが身体教育なのではないかと筆者は考えています。個人の体力を単に数量化して比較するだけで終わったり、競技の勝敗に拘泥したりすることとは次元の違うものです。ここに保健体育の学びの一面がみえてくると思います。 スポーツを実践することは、時にすばらしい経験となるでしょう。その実践に加えて、こうした「身体教育」という考え方を参考にして、「保健体育」を深く考え、「学んで」みてはいかがですか? [ 註および参考文献 ] 1) 『大辞林』(三省堂、1999年、第2版) 2) 詳しくは、波平恵美子『からだの文化人類学』(大修館書店、2005年)などを参照してください。

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