勝つための食事 -持久力増大のための食事法-(中谷 昭 著) -奈良教育大学 出版会-
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- 4 - はなく、運動が重要な役割を果たしていることが明らかになっています。 6.トレーニングすると筋グリコーゲン含量はより増加するのだろうか? これまでの研究から運動した後、糖質の多い食事をすると筋グリコーゲン含量の増加することが分かりました。それでは、持久的なトレーニングをすればもっと増加するのでしょうか。ここからが私の研究です。 図はラット(ネズミの仲間です)に5週間の水泳トレーニングを行わせ、トレーニング後にトレーニングしていないラットとともに疲労困憊まで泳がせた後、糖質のたくさん含まれる食事を与えた時の筋グリコーゲン含量の変化を示しています。運動直後にはどちらのラットも筋グリコーゲンはほぼ枯渇していますが、その後糖質を摂取すると4時間後には運動前の値よりグリコーゲン含量は高くなり、24時間後や48時間後においてもトレーニングしているラットのグリコーゲン含量はトレーニングしていないラットの約2倍の値となっています。この状態で持久的運動すると当然トレーニングしている場合の方が長く運動することができることが分かります。

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