地域をつくる -地域居住学の視点から-(立松 麻衣子 著) -奈良教育大学 出版会-
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- 4 - 民オールキャストで地域をつくる」ということです。 さらに、地域をつくることの共通点を見つけることができます。それは、「組織」「リーダー」「活動」「拠点」「地域資源」「地域づくりの目標」「情報発信・共有」「地域課題」「協働」「仲間」です。この共通点について、以下に説明を加え、図のなかでA~Jを用いて示します。 <地域づくりの共通点> ① 地域を一つにまとめる「組織」<図 A> 地域をまとめる組織があり、その組織が地域課題に取り組む舵とりをしている。地域によって組織体は様々で、それぞれの地域に適した組織がある。 地域を一つにまとめ舵取りをする組織の存在が地域づくりには重要である。 ② 継続的に「リーダー」を担う住民<図 B> 地域の組織や自治に関わった経験がある人や地域住民が「組織」(①)のリーダーをしている。リーダーは数年のスパンで務めており、計画的かつ長期的な視点をもって、地域課題(⑧)の解決に向けて挑戦している。 ③ 住民が参加できる「活動」<図 C> 様々な世代の住民を対象とした活動が企画・提供されている。住民が活動に参加することによって、住民同士に顔見知りが増え、それが見守り・支え合いにつながっている。 ④ 組織や住民の活動「拠点」<図 D> 高齢者や子育て世代が多い地域では、気楽に立ち寄れる場所の意義が大きい。たとえば、高齢者がそこに立ち寄ることは、閉じこもり防止と安否確認になる。 ⑤ 地域の「地域資源」の認識<図 E> 地域に対する誇りとアイデンティティを持っている住民を巻き込んで、さらに、地域資源を活用して活動を行っている。

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