地域をつくる -地域居住学の視点から-(立松 麻衣子 著) -奈良教育大学 出版会-
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- 7 - 住民が自分たちの地域をつくっていくなかで、地域のなかに顔見知りが増えていく。これが、平常時にも緊急時にも安心して暮らせるような、「見守り、支えあうコミュニティ」につながっていきます。 6.おわりに 大学では、学生教育に地域の力を借りることがあります。学生が地域の人から学ぶことができる機会を作り、学生の人間力や社会人基礎力の育成を目指しています。地域の力を借りる教育を重ねるうちに、このことは地域にとってもメリットがあることがわかってきました。地域にとっては、学生に教えることで地域の人が自信をもつようになったり、元気になったりすることがあります。また、地域に対する学生の率直な感想(外部からの評価)によって、地域の人が地域資源に気付くことになったり、地域活動が活発になったりしています。 地域には様々な能力をもつ人がたくさんいます。その人たちが地域で力を発揮できることや、外部の者が地域の人や活動を正しく評価することも、地域力をあげて、地域をつくることにつながります。 大学と地域が相互に役割を分担しながら協働をする「役割相乗型連携」は、これからの大学づくりにも地域づくりにも必要になると考えます。

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