人間ジオ宝(河本 大地 著) -奈良教育大学 出版会-
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6.新たなる「人間ジオ宝」が続々と… 小代には、山菜採りの名人がいます。名うての猟師や漁師がいます。保存食づくりの達人がいます。鹿肉などのジビエ料理を工夫する人がいます。山で仕留めたイノシシを丸焼きにして楽しませる人がいます。地元の物語を方言とユーモアあふれる劇にして上演する女性劇団があります。村芝居で人々を楽しませる芸達者がいます。地域の魅力の伝え方を工夫するデザイナーさんがいます。Uターン起業で地域の方々に慕われる庭師さんがいます。除雪の技術がピカイチのおじさんがいます。ここに生きるひとりひとりの話しを丁寧に聞きながら、みんなの健康と尊厳を守る看護師さんがいます。それぞれの家の味や料理を受け継ぐ人もいます。この地で牛を飼うことに誇りを持ち、今後の社会を見据えた牛の育て方を工夫する夫妻がいます。小さい頃から近所の但馬牛農家をよく手伝い、絵の宿題ではいつも但馬牛1頭1頭を描き分けていた若者がいます。休日に力を合わせて自分たちで道や水路を直すサラリーマンがいます。川が大好きで、遊び場としての川の地形や魚の居場所を知り尽くした子どもたちがいます。そして、そんなこの地の魅力を伝えようと工夫する小代ガイドクラブのみなさんも(写真は2015年9月、ジオパークの国際会議の際に撮影)。 小代は「人間ジオ宝」とその卵や雛に満ちています。でも、みなさんの周りにも旅先にも、また違った「人間ジオ宝」がおられるはず。その土地その土地の「人間ジオ宝」に会いに行きましょう。今だけ、ここだけ、この人だけの存在。そこにはきっと、あなたの未来、社会の未来のヒントがありますよ。

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