人間ジオ宝(河本 大地 著) -奈良教育大学 出版会-
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7.おわりに 地球上の土地は、場所によって特性が異なります。人類はこれまで、それぞれの置かれた土地の自然環境を読み解き、その特性の活かし方、克服の仕方を工夫しながら懸命に暮らしてきました。いろんな知恵や知識、技術が、そこから生まれてきました。それが、地域の多様性、文化の多様性を形づくってきました。 しかしそんな多様性の中には、私たちの多くが非効率的で不便と感じることもあります。公平性を欠いていたり、教育や保健の問題が指摘されたりすることもあります。社会経済は地球全体で急速に移り変わっています。とはいえ「人間ジオ宝」たちはその中で、何もかもを与えられなくても生きていく野性の力を見せてくれます。その地の自然に即して生きる姿を見せてくれます。 人と自然の関係、人と人の関係には、常に「折り合い」が必要。「人間ジオ宝」は、そんな「折り合い」の結晶です。その地その地の特性に見合った暮らしを営む「人間ジオ宝」は、これまでも、これからも、人類の宝です。

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