世界の数学科授業・日本の数学科授業(舟橋 友香 著) -奈良教育大学 出版会-
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入法の一種とみなされ、等置法を、加減法、代入法と並んで第3の解法として記載しているものはありません。このように、日本とドイツでは、ともに中学校第2学年で「連立方程式」を学びますが、指導される内容に違いがあることが分かります。 ドイツでの「連立方程式」の扱いをより詳細にみるために、ドイツの教科書(Schmid & Weidig, 2002)をもとに、「連立方程式」とその前後の単元との関連についてみてみましょう。ドイツの教科書では、「一次関数」、「連立方程式」、「二次関数」の順で教材を配列しています。まず、「一次関数」では、座標軸の導入、比例、連続な一次関数、不連続な一次関数が扱われます。一次関数をグラフに表すこと、グラフから一次関数を読み取ることがここで学習されます。次に、「連立方程式」では、連立方程式の解の存在条件が一次関数の交わりを手がかりに導入されます(図5)。その後、連立方程式の解き方は、二つの直線が交わる点の座標を求めることから導入され(図6)、等置法、代入法、加減法の順で学習されます。 図5:連立方程式の解の存在条件 図6:等置法と代入法の導入問題

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