身近なものからイメージを広げる絵画制作(狩野 宏明 著) -奈良教育大学 出版会-
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2.筆者作品紹介 上の写真は、筆者が制作した油絵の画像です。タイトルは≪鹿しし踊おどりのはじまり≫と言い、サイズは145.0×182.0㎝で2014年に制作しました。この絵は、具体的に目に見えるものを描いた、いわゆる具象絵画ですが、現実の世界とはどこか違った不思議な風景です。この作品は、どのような主題で描かれているのでしょうか。本書では、この作品を例に、どのように主題を決定し、作品を作り上げていくのかを考えます。 まず、本作には何が描かれているのかを記述してみましょう。画面中央に、金属でできた天体のような形をした球体があります。その中には、見慣れない植物が浮かんでいます。球体の下には、緑、青、赤に光るダンスホールのような舞台があり、左下と右下にはそれぞれ、「LOG IN」、「LOG OUT」と書かれた光筆者作品≪鹿しし踊おどりのはじまり≫ 油彩、綿布、パネル、145.0×182.0㎝、2014年

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