教育現場で活躍する福祉の専門家スクールソーシャルワーカーとは?(厨子 健一 著) -奈良教育大学 出版会-
2/9

教育現場で活躍する福祉の専門家 スクールソーシャルワーカーとは? 奈良教育大学 学校教育講座 厨子 健一 1.はじめに 学校にはどのような専門家がいるでしょうかと問われると、多くの人が「先生」とこたえると思います。もちろん正解です。学校に行くと、多くの教員が子どもの学力や社会性の向上に向けて、さまざまな教育活動をしている姿をみることができます。 一方、学校には教員以外の専門家もいます。人のこころに焦点をあてたスクールカウンセラー、人を取り巻く環境に目を向けるスクールソーシャルワーカーなどが教育現場に配置されています。福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーは、導入されたのが最近ということもあり、その名前を聞いたことがある人は数少ないと思います。 日本では、2008年度に文部科学省によるスクールソーシャルワーカー活用事業が開始されました。わが国は,国事業として始まって約10年ですが、スクールソーシャルワーク発祥の地のアメリカは、100年以上の歴史があります。 ここでは、①そもそもソーシャルワークとは何か ②学校にスクールソーシャルワーカーが必要となっているのはなぜか ③スクールソーシャルワーカーの仕事は何か、という3つの説明を通じて、学校に福祉の専門家が必要であることを実感してほしいと考えています。 2.ソーシャルワークとは? 社会福祉の専門的な実践・方法を「ソーシャルワーク」といいます。ソーシャルワークを行う人を「ソーシャルワーカー」と呼びます。では、ソーシャルワー

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 2

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です