学習評価入門(北川 剛司 著) -奈良教育大学 出版会-
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学習評価入門 奈良教育大学 教職開発講座 北川 剛司 Ⅰ 学校教育におけるさまざまな評価 学校教育ではさまざまな「評価」が行われています。読者のみなさんが「評価」と聞いて、まず思い浮かべるものはなんでしょう。「成績表」や「テスト」といったものを浮かべる方が多いでしょうか。もちろん、それらは「評価」といってよいでしょう。これらは「学習」に関する評価であることから、特に「学習評価」と呼んで区別することもあります。 この「学習評価」は学校教育で行われる評価の中心と言えるものですが、実際には、他にもさまざまな評価が学校教育のなかでは行われています。一例として、「授業評価」や「カリキュラム評価」といったものがあります。これらは教師が「授業」や「カリキュラム(教育課程)」に関して、それらが良かったかどうか(よく機能したかどうか)を把握しようとするものです。このように、読者のみなさんに馴染みの深い「学習評価」のほかにも、学校教育においてはさまざまな種類の評価が実施されています。 なお、本稿の以下の部分では、「学習評価」のことを扱った内容が中心となります。 Ⅱ 評価の目的 評価には主に二つの目的があります。一つは、判定(判断)することです。評価の対象について、その状態(状況)が、目標に達しているのかいないのか(あるいは5段階で言えばどの段階にあたるのか等)を判定(判断)することです。こうした目的で用いる評価のことを「評定」と呼んで、「評価」とは区別

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