子ども・若者の自立と支援-「子ども・若者支援」という課題の登場-(生田 周二 著) -奈良教育大学 出版会-
2/13

子ども・若者の自立と支援 -「子ども・若者支援」という課題の登場- 奈良教育大学 次世代教員養成センター 生田 周二 この本では、なぜ近年「子ども・若者支援」が必要となっているのか、その背景と取り組みを解き明かします。その際に、「自立」を手がかりにします。 ところで、子どもとは、若者とは何歳頃までなのでしょうか。法律により用語が異なっていますが、ここでは、「子ども・若者ビジョン」(2010年、子ども・若者育成支援推進本部決定)を踏まえながら、次のように定義します。 ・ 子ども……乳幼児期から18歳未満(子どもの権利条約、児童福祉法などに準拠)の者 ・ 若者……思春期(中学生頃から18歳頃まで)、青年期(18歳頃から30歳未満頃まで)の者。場合によって、ポスト青年期(青年期を過ぎ40歳未満)の者も含む。 1.「子ども・若者支援」とは? (1)概要 子ども・若者支援は、家庭・学校・地域と連携しながら、しかし家庭、学校とは異なった観点から、子ども・若者の自立、つまり「子どもから大人への移行」を支援(支え、援助し、見守る)します。それは、次の側面を持つ取り組みだといえます。 ・ 子ども・若者の自発性、すなわち思い・関心・願いを踏まえる ・ 子ども・若者の自主的・主体的な活動を活性化する ・ 「子ども・若者の個人的および社会的成長」のための豊かな場と機会を保障する

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 2

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です