子ども・若者の自立と支援-「子ども・若者支援」という課題の登場-(生田 周二 著) -奈良教育大学 出版会-
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ってこと」まで、次のような点が含まれています。 ・身体的成長(服、歯) ・運動能力(顔を水に付ける、登る、飛び降りる) ・人間関係性(家族の存在、年齢、小さい人へのいたわり) ・判断力(泣かなくなる、飛び降りられるかどうか、食べ物、シャンプー) ・遊び、興味・関心の広がり これらは、マズロー(A. H. Maslow, 1908年〜1970年)が「ニーズの階層」理論で指摘する「基本的ニーズ」(生理的なニーズ、安心・安全へのニーズ、帰属感と愛情のニーズ)に関連しています。親を始めとする身近な人たちに見守られながら、身体的な成長とともに自然や人と関わる中で関心が広がり、判断力がついてきます。 これらは、次のように整理することができます。 発達的側面 (身体・生活習慣など) 衣食住など人間的な生活を送る上で必要となる生活習慣などの基盤を形成する。また、身体的成長を促す。「生理的なニーズ」、「安心・安全へのニーズ」を充足しつつ、「帰属感と愛情のニーズ」を満たす上で重要となる。 文化的側面 (自己理解・自己管理) 自分が「したいこと」「意義を感じること」「できること」を判断する上で、遊びや余暇など自由な空間・居場所が大切である。「帰属感と愛情のニーズ」の充足と関連している。……自己コントロール、自律、アイデンティティ 社会的側面 (人間関係・社会性形成) 様々な出会いや活動を通しての関係づくり、学校・施設・団体などでの多様な世代との開かれた交流と活動が想定される。 「帰属感と愛情のニーズ」や「承認へのニーズ」の充足と関連している。……つながり B.成長への動機づけとしてのニーズ 次に、保育所を終え、小学校に入学し進級していく中で、「成長への動機づけとしてのニーズ」(承認へのニーズ、自己実現のニーズ)が大きな役割を果たします。それは、次のようなものです。 ・勉学する ・仕事をする ・役割を担う ・責任を果たす ・いろんな人たちと協力する ・主体的に物事に関わる ・家族やネットワークを形成する

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