子ども・若者の自立と支援-「子ども・若者支援」という課題の登場-(生田 周二 著) -奈良教育大学 出版会-
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これらは、次のように整理することができます。 経済的側面 (能力開発) 学習、職場体験、就労支援などを通じて、キャリアの基礎を形成する。「承認へのニーズ」や「自己実現のニーズ」の充足と関連している。……知る、できる 政治的側面 (意見表明・役割獲得) 自分の考えや意見を踏まえた自己決定ができるようになり、企画や決定への関与、運営などに関わり、役割を果たしつつ他者と協力・協働して活動できる。「自己実現のニーズ」の充足と関連している。……関わる、担う (2)自立の5側面 私たちの研究では以上の通り、自立には5つの側面があると整理しています。 また、今回は詳しく紹介できませんが、図2に示すように、自己実現に向けたシステムへの統合と参画を志向する縦軸と、自分を取り巻く自分づくり、関係づくりの横軸があります。 Aの段階は、図2−1の通り、発達・文化・社会の3つの側面が関係しており、Bの段階では学校を代表とするシステムへの関わりによる社会参画への準備(経済的・政治的側面)が行われているといえます(図2−2)。 図2−1子ども・若者自立モデル(A段階) 図2−2子ども・若者自立モデル(B段階) (参考:河崎智恵(2011)「ライフキャリア教育における能力領域の構造化とカリキュラムモデルの作成」『キャリア教育研究』29(2), p.65) ◎ワークシート:「自立の5側面」を参考に自分の体験・経験領域を整理しよう 下記の空欄に、自分の取り組みや課題を整理してみましょう。それぞれどんなことに取り組んでいたり、課題があるかを考えるきっかけにして下さい(奈良教育大学・教養科目「キャリア形成と人権」で活用)。

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