[英語の冒険]-[言語の命運]-(米倉 よう子 著) -奈良教育大学 出版会-
9/10

4.さいごに思考の土台になるのは母語の力であり、まずは母語がしっかりしていなくては、話にならない。しかも、英語に限らず外国語、とりわけ語彙・文法ともに母語とは似ても似つかぬ言語を習得するのには、大変な時間と労力がかかる。外国語の習得に励んでいる最中であっても、できればその労力を別の事柄に向けたいと、ふと思うこともあろう。しかし外国語を知ることは、人生を生きる上で、間違いなく大きな力になってくれる。この小冊子では、英語の波乱万丈の冒険記の一部を見たに過ぎないが、あなたが学んでいるのが英語であれ、他の外国語であれ、母語に加えてもう一つの言語を知り、それを使って新たな世界を覗こうとするとき、そのときこそ、あなた自身の冒険物語が、幕を開けるのだ。引用文献Bragg,Melvyn(2004)TheAdventureofEnglish:TheBiographyofaLanguage,Sceptre.安西徹雄(2000)『英語の発想』筑摩書房.大木俊夫(1992)「英語受け身文の誤文分析」『浜松医科大学紀要(一般教養)』第6号,91-100.寺澤盾(2008)『英語の歴史―過去から未来への物語』中央公論新社.渡部昇一(1977)『英語の語源』講談社.引用作品Evans,G.Blakemore(ed.)(1974)TheRiversideShakespeare,HoughtonMifflin.Follett,Ken(1989)ThePillarsoftheEarth,Reprint,HarperCollins,2007.Goldman,James(1966)TheLioninWinter,SamuelFrench.小田島雄志(訳)(1986)『シェイクスピア全集Ⅲ』白水社.

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る