情報教育からみたプログラミング教育-情報活用能力の育成からみて-(伊藤 剛和 著) -奈良教育大学 出版会-
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●高学年:手順を組み合わせ計画したものを作ることができる。①低学年:順序だてて指示したことが自動的に順番に動くことが理解できる。低学年では、まず、物事をまとまりごとの要素にわけていくことから始まります。例えば、朝起きてから家を出るまでにやるべき活動を箇条書きで整理して書き出したり、それを友達と比べて共通の部分に気づいたりといった展開です。外遊びや動くおもちゃづくりを通じて、作り方や手順を具体的に書き出し、相手に伝えて、その通り行動してもらうことで、不明瞭な部分や抜け落ちた点に気づいたり、順序だてて考えることの重要性や、順番の意味について気づいたりできるよう指導します。また、写真を撮影する際のICT機器となるデジタルカメラやタブレット端末の電源の入れ方や撮影の仕方、撮影した写真の確認方法などや、書画カメラ(OHC、実物投影機)で、教室の皆にノートをみせて発表する際等、ズームやピント調整する操作など、学習活動で用いる機器類の基本的な操作にも慣れていくようにすすめます。②中学年:条件分岐(判断)や繰り返しを活用し、指示された動作をするように、手順を組み立てて表すことができる。中学年では、ローマ字の学習時に、コンピュータのかな漢字変換(IME)等で入力する活動で、アルファベットから“ひらがな”が表示される仕組みや、その後、変換指示によって、カタカナや漢字になる動作には、予め仕掛けられている仕組みであることに気づくことが可能です。同様に、電子辞書の横断検索や、Google等の検索エンジンサイトが、どのように候補を探して表示しているかの仕組みに興味を持つことも、身近な生活で使う製品の中に、誰かが作ったプログラムが役立っていることに気付く一環になるでしょう。手引きの例示にあるように、DTMの創作用ソフトウェアによる音楽制作活動を

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