情報教育からみたプログラミング教育-情報活用能力の育成からみて-(伊藤 剛和 著) -奈良教育大学 出版会-
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情報教育からみたプログラミング教育-情報活用能力の育成からみて-奈良教育大学教育連携講座伊藤剛和(次世代教員養成センター)1.情報教育の背景21世紀を生きる子どもたちにとって、情報社会からSociety5.0へという変化は、生活様式の変化以外に、社会とのかかわり方にも及び、より一層、教育の重要性が高まってきています。児童生徒の周りには、従来では想像できなかったほど様々な情報が氾濫し、それらの中から生活や学習に必要な情報を主体的に取捨選択し、適切に活用する能力が求められています。さらに日進月歩で様々な情報機器が登場しており、情報活用に際しても、それら機器の中から適切な機器を選択することや、正しい情報の扱い方を身につけること求められています。これらの急激な社会変化に対応できるように、教育の質の向上とともに、「情報教育」を挙げ、情報教育によって児童生徒が「情報活用能力」を身につけ、その能力を活用して「生きる力」を高めていくことを目指しています。日本における情報活用能力は、「情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議(文部科学省)の第一次報告(平成9年10月)において、次の3つの観点で整理されました。情報活用の実践力課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力

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