情報教育からみたプログラミング教育-情報活用能力の育成からみて-(伊藤 剛和 著) -奈良教育大学 出版会-
4/20

る方法を身に付けることなどです。それらの手段を適切にかつ確実に高めていくためには、活用できるようにするための指導が必要です。また、何が知りたいのか、その活動の目的は何かなどを児童生徒に意識させる指導を心がけることが必要です。これは、安易に活用することによる依存性へ対策でもあります。信頼性の高い情報収集を様々なメディアから得られるように、児童生徒自身が比較して考えるようにすすめることで、情報機器に対する依存度を下げる活動になるでしょう。② 必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造情報の収集・判断・表現・処理・創造は、一度経験すれば確実に身につき、次の場面ですぐに活用できるものではありません。そのため学年進行に応じて、児童生徒に繰り返し活動することで、徐々に身につけていく力と捉えてください。小学校段階では、課題や目的に応じて様々な情報手段で収集した情報を、調べたり比較したりすることをはじめとし、情報を編集する過程を通して理解する活動を行ないます。例えば、調べ学習での情報収集や整理等の情報活用や、コンピュータを用いての発表資料の作成等は、社会科や理科だけでなく他の教科でも共通して取り組むことができるでしょう。中学校段階では、小学校段階での指導と同じように、生徒が目的に応じて、主体的に情報手段を選択し、必要な情報の収集・判断・表現・処理・創造の活動を通して、問題の発見・解決する活動を行います。この場合、効果的な情報の収集方法や、根拠に基づいた情報の選択、効率的な情報の表現など、新たな情報に対する確実性や信頼性を高めるための方法や効率的な活動を考えながら活動させることが必要です。高等学校段階では、小中学校段階で身に付けた情報の収集・判断・表現・処理・創造の活動を連続的に用いて、より実践的に活動できるように指導

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る