情報教育からみたプログラミング教育-情報活用能力の育成からみて-(伊藤 剛和 著) -奈良教育大学 出版会-
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することが求められます。教員からの課題だけでなく、社会的な事象等に対して主体的に問題を発見し、解決に必要な情報を効率的に収集し処理する方法や、客観的・多面的に分析する方法などを積極的に取り入れ、効果的な表現方法等を工夫し、信頼性の高い適切な情報を創造することが求められます。③ 受け手の状況などを踏まえた発信・伝達情報活用の一連の流れの中で、整理・創造した情報を、相手に応じて、発信・伝達する方法を身に付けることは、単なる情報伝達技法の習得だけではなく、発信の責任を持つとともに、相手に応じて伝え、相手にどのような影響を与えたかを確認することまでも含みます。小学校段階では、情報の受け手の状況などを考えて情報を創造する方法を身に付けることが必要です。相手の情報通信環境だけでなく、情報を受け取った時の相手の心情にも配慮した情報発信ができるように、一対一・一体多・同学年・低学年・他地域の児童生徒・地域の大人等、様々な相手や手段を使った、活動の機会を保障することが重要です。また、学習の中でメールやSNSを利用することが必要な場面設定を行う場合は、単にメディアの使い方や危険性を強調するような学習にならないように配慮することも必要です。中学校段階では、小学校段階での基本的な情報発信や伝達に関する能力をもとに、自分の思いや考えが相手に伝わりやすいように表現や発表方法を工夫することや、発表時の相手の状況等を把握しながら伝える方法を身に付けさせるようにします。高等学校段階では、情報の発信・伝達に利用する情報機器の特性を理解し、それらを踏まえて実践的に適切に活用する主体的な学習の場を設定することが求められます。また、適切な情報が発信されているかを判断しな

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