情報教育からみたプログラミング教育-情報活用能力の育成からみて-(伊藤 剛和 著) -奈良教育大学 出版会-
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がら、情報を受信する評価の方法や修正方法等を実践できるようにすることも必要です。例えば、遠隔地とのテレビ会議を用いた情報交流では、発信する情報について事前に詳細に吟味することや、根拠を明確にして情報を作成すること等を習慣化することが必要になってきます。1-2.情報の科学的な理解の指導情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善したりするための基礎的な理論や方法の理解を「情報の科学的な理解」の内容と定義し、次の2つの要素で構成されています。① 情報手段の特性の理解小学校段階では、学習活動に必要となるコンピュータ等の情報機器の各部の名称などの語彙の獲得とともに、インターネットなどのネットワークサービスや情報端末の基本的な特性を理解して活用させることが必要です。また、安心・安全に利用するために、情報セキュリティと関連づけて指導することも重要です。中学校段階では、学習場面から生活場面へも視野を広げ、日常的に用いている情報機器の一般的な構成と役割、情報処理の仕組み、その特性等について理解させるようにします。日常で利用しているメディアの仕組みと特性、それらを適切に活用するための情報セキュリティの仕組みなどについて、具体的な事例を通して理解させます。さらには、コンピュータを利用した様々な計測と制御に関する基本的な仕組みを理解し、活用できるように指導します。高等学校段階では、中学校段階で身に付けた情報通信端末や情報通信ネットワーク、メディア、セキュリティ、計測・制御の仕組みに関する理解を深めるように指導します。特にセキュリティに関しては、その対策方法につい

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