希望を持って前向きに、技術の将来について語り合う技術科の授業(世良 啓太 著) -奈良教育大学 出版会-
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2.技術の進展と多様化する技術の光と影 技術の進展によって私たちの生活は非常に便利で豊かなものになっています。例えば、スマートフォンの普及によって、誰しもが手元にネットワークを持つことが出来る時代になりました。一方で、一昔前では当たり前であったことが当たり前ではなくなっています。私が中高生の頃はガラケー全盛期であり、意中の人のメール受信時に専用の着信音を鳴らすことのできる機能や、テレビの視聴や赤外線通信など、様々な機能が追加された新機種が発表される度に友人同士で盛り上がったものです。しかし、このような機能は今では目立った機能として取り上げられないばかりか淘汰されつつあります。つい最近、ゼミ生にこのようなことを話した際「そんなのあったんですか。テレビよりYouTubeの方がおもしろいですよ。」とまで言われてしまいました。ジェネレーションギャップを感じざるを得ませんでしたが、私自身が0-9の番号のみでメッセージをやり取りするポケベルの話を全く理解できなかったことと同じかもしれません。歳がそれほど離れていないゼミ生と話がかみ合わなかったことで、技術は絶え間なく進展するものであり、心踊った技術でさえも早々にしてガラパゴス、オワコンと揶揄されるようになるということを改めて感じた出来事でした。 さて、上記では身近な携帯電話を例に挙げて技術の進展が著しいことについて触れましたが、身近な技術から少し遠いところの技術まで多くの技術が私たちの生活や社会を支えています。一方で、原子力発電や遺伝子組み換え技術、植物工場やドローン、自動運転に人工知能といった技術はその恩恵だけではなく様々な問題がクローズアップされています。例えば、ドローンの荷物配送に 出典かわいいフリー素材集いらすとや:https://www.irasutoya.com/

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