希望を持って前向きに、技術の将来について語り合う技術科の授業(世良 啓太 著) -奈良教育大学 出版会-
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3Dプリンタは必要な部分を付け加えながら立体物を造形するので、材料から不要な部分を取り除いていく木材加工に比べて、材料のロスが少なく、複雑な形状を簡単に作ることができるなどの特徴があります。生徒は、異なる材料やその加工方法を学びながら、それら特徴を体験的に理解しているようでした。 自らデザインして新たなものを創造する経験を経た生徒は、技術の進展を牽引する人々の気持ちに理解を深めており、世の中の様々な技術に対してより一層興味を抱いているようでした。その後、このような学びを経た生徒が、賛否の分かれている技術について語り合った時のコメントを最後に紹介します。 「今の技術はとても便利なものだと思うが技術が発達しすぎると環境を破壊することになると思うので、技術と環境のバランスを保っていくことが大切だと思った。」「30人強のクラスでも意見が割れるのに世の中はもっと割れると思った。これから先社会がこのような問題をもっと活発に取り上げ、たくさんの人が興味を持つべきだと思った。」

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