学校で勉強する内容はいつ、だれが決めたの?~もっと自由に学びたい~(山本 敏久 著) -奈良教育大学 出版会-
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学校で勉強する内容はいつ、だれが決めたの? ~もっと自由に学びたい~ 奈良教育大学教職開発講座山本 敏久 はじめに キャッチーなタイトルで、これから記そうとすることがうまく伝わらないかも知れないので、ちょっと補足。なら、初めから内容がきっちり伝わるように書けばいいのにって声が聞こえてきそうです。先ずはそこから…。 このタイトルから、どんな話が展開されるのかなって、少しでも「?」をもってくださったら大成功。「学び」は「?」から始まるのです。そこが「勉強」と違うところ。でも、大学を目指そうとしている多くのみなさんは、まだまだ「勉強」に忙しいことと思います。この続きは後ほど…。 また、こんな人がいたかも知れません。~もっと自由に学びたい~どころではなく、「どうしてみんな同じことを勉強しなくちゃいけないの!」や「なんで、学校に行かなきゃならないの!」という疑問や不満を抱いた人…。 では、それらを解き明かす入り口まで、ご案内することにしましょう。 1. もしも、みんなが好きなことだけ、好き勝手にやっていたら 本当は、みんな自由気ままに生きたいよ。これは究極の理想かも知れませんが、なかなかそうは問屋が卸さない。「人」という漢字の成り立ちからも分かるように、人は、お互い寄り添ってやっと「人」だから、自分(個人)はとても大事だけれど自分だけよければよいというわけにはいかないのです。それが人の宿命。だから、学校で勉強する中身も時期も全て、既に「人」に決められているのです。小学校から高等学校まで、それぞれの「学習指導要領」1)という“本

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