学校で勉強する内容はいつ、だれが決めたの?~もっと自由に学びたい~(山本 敏久 著) -奈良教育大学 出版会-
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(書店にも売っています)”に結構細かく示されているのです。その中身は、次章で触れることにして、では、その「学習指導要領」は誰が決めたのか。それは文部科学大臣です。もちろん大臣一人で決めるわけではなく、色々な法律で定められていることになります(ちなみに幼稚園や認定こども園にも同様の「要領」がありますが、ここでは義務教育の学校の話を中心に進めます)。 学校教育に関することの多くは「学校教育法」「学校教育法施行令」「学校教育法施行規則」で定められています。学校での学習全体の詳細は「学習指導要領」にまとめて示すことや、『小学校は6年間です』というような各学校の修業年限や、『決められた教科書を使って勉強するのですよ』ということは学校教育法に、各学校で教える教科や各学年の授業時間数は同施行規則にそれぞれ定められています。 また、学校教育法には、義務教育の目標や小学校や中学校の目的も定められています。ではここで、義務教育の目標を少し見てみましょう。 如何ですか。学校..教育法に書かれた義務教育....の目標の一番目が、「学校内外における…」から始まるスケールの大きさ。教科とかテストとか勉強なんて言ってないでしょう。二もそうです。今はCOVID-19による制約がありますが、ESDやSDGsの考え方に通じる(予見していたかのような)グローバルな感じがするでしょう。 ここで、法律の源流を少しさかのぼって行きましょう。 実は、この義務教育の目標は、別の法律で既に定められている義務教育の目的を達成するために掲げられたものなのです。では、その義務教育の目的は、どこにどのように定められているのでしょう。 それが「教育基本法」です。この法律は、その名のごとく学校教育のことだ一学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。 二学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。 〈後略;十まで続きます。〉

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