次世代型教員養成の在り方について-高校生を対象とする奈良県次世代教員養成塾の取組-(竹村 謙司 著) -奈良教育大学 出版会-
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次世代型教員養成の在り方について -高校生を対象とする奈良県次世代教員養成塾の取組- 奈良教育大学教育連携講座竹村 謙司 1.はじめに-次世代って何?- これからの教育を担う次世代型の教員を養成するために、奈良県では高校生を対象とする取組である「奈良県次世代教員養成塾」というプログラムが実施されています。このプログラムには「次世代教員」という言葉がありますが、「次世代」という言葉を聞いて、どのようなイメージをもつでしょうか。 「Z世代」という言葉があります。Z世代とは、1990年代後半から2010年頃に生まれた世代を指しています。アメリカでは「ジェネレーションZ」と呼称することから、日本でもその呼び名が浸透し始めています。 Z世代の特徴のいくつかを挙げると、生まれたときからインターネットやパソコン、スマートフォンなどのデジタル機器が身の回りにある「デジタルネイティブ」世代です。また、FacebookやTwitterなどの革新的ビジネスの創業者の存在や、ユーチューバーの活躍など、これまでの「いい大学に入り、いい企業に勤める」以外にも成功方法があることをよく知っており、「起業家精神が旺盛」な世代です。 さらに、インターネットを使用して世界中の情報を得ることができる「グローバルな視点」があり、人種や性別などにおいて「偏見が少なく」、社会や環境などの課題に対して積極的に取り組む「社会的課題への意識が高い」世代だと言われています。 小学校をはじめとした現在の学校では、グローバル化の進展や人工知能(AI)の飛躍的進化など、社会の加速度的な変化を受け止め、将来の予測が難し

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